はい。そんな訳で今回もあとがきを書かせて頂きました。
今作はストーリーも無いので、ネタバレ等を気にせずにお読み頂けます。
もし、まだ「うぃっちーずりばーし!」をプレイ頂けてないのでしたら、
こちらからDLしてプレイして頂けると幸いです。
それでは、しばしお付き合いを……。
さて、振り返りという事で今回もゲームを作った経緯から書きましょう。
このゲームのネタの始まりとしましては、「今まで作ったジャンルとは違うものが作りたい」というものが発端でした。今までRPG、ARPG、ACT、STGの制作を行いましたので(「
ウディれ!ジャッキーちゃん」は分類不能扱い)、それ以外のジャンルを作ろうと思い立ちました。
そして、「ウディタでAI的な物を作ってみたい!」という
あまりにも無謀な思いがありましたので、パズル系のゲームを作ろうという方向になりました。
色々考えた結果、既にロジックが確立されているオセロゲームをベースに作ろうという形になり、制作を開始しました。
……が、やはりそれだけでは面白みがないなぁと感じました。AIの実装はともかく、「ウディタでオセロゲーム」は自分の記憶の限りでは、既に5年位前に公式ページで公開されていたと記憶しています。ですので、ただオセロゲームを作るのはつまらないなぁと思ったので、何かアレンジ的な物を入れたいなぁと思いました。
そして考えた結果……娘達を入れる事になりました()
という事でお馴染みの娘達をプレイヤーキャラとして使う方向に決まりました。
が、ここで一つ問題が発生しました。そもそもオセロゲームにキャラ要素を入れても、“何の意味もない”のです。「ぷよぷよ」みたいに連鎖での技やカットインがあるにしても、やはりキャラクターを入れる事の意味合いが薄いなぁと思い、何かキャラクター固有の物を持たせる事にしました。出来れば、オセロのルールに少しアレンジを加えて……。
その結果生まれたのが「スペル」が使える「ウィッチーズリバーシ」モードです。これによりキャラクター毎による特徴付けが出来るのに加えて、普通のオセロとは違った楽しみが出来ると考えました。
そしていざ試しにやってみると……。
とんだイカサマじゃねぇか。……という訳で使用回数に制限を設けました。最初は「3回くらい使っても大丈夫でしょ~」とか思っていましたが論外です。1回使えば十分すぎるくらい強力でとてつもないパワーを持っていました。また、キャラによっては初手ぶっぱが無慈悲に強いので、その対策として「ゲームが半分進んだら(15ターン経ったら)使用可能にする」という仕様にしました。
その上で何度かテストプレイして、ちょうどよくオセロゲームの基礎を崩さずに楽しめるバランスになりました。スペルは強力だけど、オセロの定石を押さえないと勝てない。そんなバランスになれたので満足です。
本作の肝とも言えるAIについて。
オセロAIのアルゴリズムについては全くの無知だったので、グーグル先生に教えてもらいながら作成しました。既にアルゴリズムが確立されているだけあって、結構色々な情報が出てきました。
その中で今回実装したのは、「マスの重み付け」と「n手先の盤面の推測」です。
まず、「マスの重み付け」は単純にマス一つ一つに点数を割り振ってあげて、高得点のマスを取れるように判定する、というものです。これは人の思考で言うところの「角を優先的に取る」というものです。こちらは単純に点数計算して一番点数の高い所を取る、というシンプルなものですのですぐに実装できました。
問題は「n手先の盤面の推測」です。要するに「ここに自分の石を置いたら次の盤面はこうなる」というのをn回繰り返す、のですが、これを実現するのに苦労しました。
それもそのハズ。システムに詳しい方ならご存知ですが、ウディタは再帰処理がとてつもなく苦手です。「再帰処理」というのは、あるコードが“そのコード自身”を呼び出す事で繰り返し処理を行わせる、というものです。実用的な例を挙げるなら、フォルダの中身を調べる時、「あるフォルダの中身を検索する→フォルダがあるならそのフォルダに入る→そのフォルダの中身を検索する→フォルダがあるなら……」といったように、「深く潜っていく処理」に使われます。オセロの「次の手を繰り返し読む」という考え方にはピッタリな処理です。
ですが、先程も述べた通り、ウディタは再帰処理を行うのに不向きです。理由としましては、「深さ」や「その深さで探索した情報」を記録するのが非常に苦手だからです。
今回自分は変数と可変DBで情報の管理を行ったのですが……、探索した情報と記録した情報を一致させるのが非常に苦労しました。ですので、結構無理やりな感じで実装するハメに……。
さらに、追加のオリジナル要素として「スペル」を入れてしまったせいで、なおさら大変な事に……。本当なら、スペルに応じた立ち回りや、有効的なスペルの使い方をするよう個別にアルゴリズム設定する必要があるのですが、そこまでの時間も技量もありませんでした……(ついでに言うと、バグの温床でもあった)。
個人的な感想としましては……。
二度とやらない。ちなみにCPUレベルに応じてAIは以下のような内容になっております。ご参考までに。
Lv1:完全ランダム設置(スペルもランダム)
Lv2:一番ひっくり返せる場所に設置(一部を除いてスペルも同様)
Lv3:一手先(相手の返し手)を予測して最大得点(マスの重み情報アリ)
Lv4:三手先を予測して最大得点(総当たり、マスの重み情報アリ)
Lv5:五手先を予測して最大得点(α-β法、マスの重み情報アリ)
……α-β法は正直ちゃんと実装出来た自信がありません()。
続いて、インターフェースと操作関連について。
今回はオセロゲームという事もあって、マウス操作にしました。やはり、こちらの方が直感的に操作しやすく、プレイしやすいようです。
ただ、実は今作が初めてのマウス操作ゲームなので、操作方法に関するシステムの土台の作成から行う事になりました。
とはいえ、ウディタは元からマウス操作を作りやすくするよう、マウスカーソルとピクチャの重なっているかどうかの判定を取得出来るので、実装自体はすんなり出来ました。やはりウディタは神ツール。どちらかと言うと、システムの構築よりも、判定の順序を設定するのが大変だったり……。
とはいえ、マウス操作ゲームの土台が出来たので、今後のゲーム制作に使える財産が増えたと思っております。今後、マウス操作ゲームを作る際は活用していきたいですね。
ユーザーインターフェースの方ですが、こちらは結構苦労しました。マウス操作ゲームが初めてなので、どのようなレイアウトや操作性にすれば良いのか、経験がないので最初はかなり戸惑いました。なので、最初は参考となりそうな物を探しました。
そして参考にしたのは、スマホゲームでした。スマホゲームはタッチ操作なのでマウス操作と感覚的に近く、レイアウトやデザインも凝っているのが多いので、そちらを参考にしながら作りました。
……なのですが、ボタンや題字の画像素材を作る量が今まで以上に多く、かなり大変でした。また、これらの素材を「まとめてピクチャフォルダに入れてしまった」ため、フォルダ内のファイル数が大変な事に……。きちんと用途に分けてフォルダ分けしましょう(戒め)
ただ、その甲斐あってか、ツイッターを見ると操作系はかなり好印象のようで安心しました。今後もシンプルでキレイなデザインで作っていきたいです。
続いてキャラクターについて……なのですが、こちらについては各キャラが正式な主人公の作品を出しているor出していないので、触り程度にします。
アクア、フレイミ、クロアの三人につきましては、
魔法交騒譚のあとがきを参照して下さい。また、三人が主人公のSTG「
魔法交騒譚~The Black Box~」もよろしくお願いします。
という訳で残りの三人について簡単に書きます。
最初にデザインしたのはリーファでした。デザインコンセプトは「母性溢れる優しい大人の女性」という方向です。ですので、それに相応しい性格と身体的特徴にしました。木属性魔法使いなので、おっとりとした感じを出してみました。読書好きの設定は、個人の好みで入れました()。ただ、そこからの派生で、少々夢見がちな面もあったり……。と、ここから先はまた別の機会に。名前の由来は「Leaf(リーフ:葉)」から。
次にデザインしたのがエレス。コンセプトは「荒っぽい不良少女」で進めましたが、女の子の面も残しておきたかったので、手首にシュシュ着けさせる事にしました。一人称を「俺」にする事で女の子らしさを捨てるだけ捨てさせましたが、やっぱり少しくらいは残したいなぁと思いましたので。雷属性魔法使いなので、頬に稲妻模様の傷を付けさせたり、髪も先端がハネているくせっ毛にしました。こちらも詳細は別の機会に。名前の由来は「Electro(エレクトロ:電気)」から。
最後にデザインしたのはラッカでした。こちらは非常に難産で、スケブ(クロッキー帳)に何度もデザインが迷走した痕跡が残っています。キャラとしては「元気な自称大人のロリっ子」のコンセプトです。「ですー」が口癖で、いつも明るく元気なお子さまです。土属性魔法使いですが、よく見るイメージとは正反対な感じのデザインだなぁと個人的に思ったり(よくいる土属性キャラは荒っぽかったり図体が大きかったりする気がする)。詳細はまた別の機会に。名前の由来は「Crag(クラッグ:切り立った岩)」から。
絶壁という意味も……。そんな感じで、愛娘達6人全員を無事登場させる事が出来ました。ギャラリーにはキャラ一人一人のイラストも用意していますので、是非御覧下さい。
ギャラリーについて。
恒例の俺得モード()。
……ごめんなさい、嘘です。ギャラリー用イラスト作るのクッソ大変でした半年掛かってますごめんなさい二度とやります()。
今作ではギャラリーにキャラクター名鑑やイラストだけでなく、サウンドテストも入れました。
ただ、BGMを再生するだけなのも何だかなぁ……と思ったので、SDキャラがアニメーションするようにしました。3コマだけの単純なアニメーションですが、いざ動かしてみると想像以上に可愛かったです(親バカ)。こういうちょっとした演出があると、印象が大きく変わりますよね。今後もちょっとした演出をちまちまと入れていきたいと思います。
オンライン機能について。
無理です(真顔)はい。僕の技術ではオンライン対戦は無理です。というのに加え、ウディタの通信機能の制限的にも厳しいです(有識者談)。ですので、オンライン対戦機能はお蔵入りに……。ウディタちゃんがもっとリアルタイム通信に強くなってくれればなぁ……。
あと、オンラインアップデート機能は今作では導入していません。理由はサーバーが見つかっていないためです()。某個人サイト向けサーバーが3月で閉鎖するので、移行をしようと考えているのですが、未だ見つからず……。いい無料サーバーないかなぁ。情報下さい()。
タイトルについて。
そのまんまです。
特に何のひねりもなく、「魔女っ子達のリバーシブルゲーム」という事でこのタイトルにしました。ひらがななのは、そちらの方がポップで軽い感じが出せると思ったからです。
STGの方はやたらとお固い感じですし。制作期間について。
「
魔法交騒譚~The Black Box~」の完成から3年……。制作開始からおよそ2年半くらいでしょうかね。途中でRPGが1本エタったり、「
ウディれ!ジャッキーちゃん」を突発で作ったりしましたが、思ったより長く掛かってしまったなぁ……というのが本音です。
出来れば、去年の時点で完成に持っていきたかったのですが、それは叶わず……。去年の東京うでぃおふの時点でシステムはほとんど完成していただけに、随分とお待たせしてしまったなぁと反省しております。
また、次に作りたい物が次々と出てきては溜まっていっているので、ズルズルと引きずっていて、負債のように思える時もありました。
ですが、こうして無事公開出来て、皆さんに楽しんで頂けて、作者冥利に尽きるというものです。長い間苦労して作った甲斐があったなぁと思っております。こうして作品が皆さんを楽しませる事が出来ただけで、私は満足です。
本当に、嬉しいです。
ウディフェスの参加について。
まずはウディフェス復活、おめでとうございます(去年は外伝で10分ゲーフェスでしたので、正式なウディフェスは今年から復活)。昔から大好きなイベントでしたので、こうして再び作品を出して、作品を楽しませて頂けて感無量です。ウディフェス運営の皆様、本当にありがとうございます。これからもウディフェスのますますの発展を願っております。
そんな思いもあってウディフェスに参加する事にしました。やっぱりみんなが楽しめるイベントに出したいという思いが強かったので、ウディフェスに投稿しました。今作で皆さんが楽しんで頂ける事を願っております。
また、イラスト(ファンアート)も投稿しております。こちらは気に入った作品があったら随時描いていくつもり……。
皆さんも、ツイッターなどで感想をツイートしたりして、ウディフェスを盛り上げて頂けたら嬉しいです。
まとめると……。
個人的には結構長い期間制作をしてしまいましたが、その甲斐あってか初めてのシステムでも皆さんに楽しんで頂ける事が出来ました。
もちろん、皆様が本作を楽しんでプレイして頂いた事が何よりも有り難い事です。
今回、無事「うぃっちーずりばーし!」を完成させられたのも、ひとえに私の作品を待ち続けて頂いた皆様のお陰です。
本当に、ありがとうございました。
こんな不甲斐ない作者ですが、これからも精一杯生きて、制作を続けていく所存です。
これからも、よろしくお願い致します。
今後の活動について。
はい。今作のギャラリーをしっかり見た方はご存知かと思いますが……。
作ります。“魔法交騒譚~The Black Box~”の続編STG。
魔法幻奏譚~True Phantasmagoria~
※タイトル及びロゴは制作中のものです。
……はい。という訳で次はSTGを作ります。
主人公はエレス、リーファ、ラッカの三人です。三人のストーリーを描きたいと思います。
システムは基本的に魔法交騒譚準拠でいきたいと思っていますが、そのままという訳でなく、少しシステムに変更点を加えたいと思います。
現状の構想では、キャラクターに加え、プレイスタイル要素も追加したいと思っています。例えば、攻撃性能が高くて敵をどんどん倒していくスタイルだったり、魔力ゲージ回復力が高くてボム/バリアをバンバン撃てたり……など。
他にも、インターフェース周りの改良や、敵の攻撃パターンの改良を行いたいと思っています。
コンセプトとしましては、「(敵味方関係無しで)キャラクターの映えるゲーム」として作っていきたいと思っています。主人公も敵も、ストーリーとスペルでどんどん個性をアピールしたいと思っています。特に敵に関してはスペル弾幕を作って、キャラの能力や特性を全面に押し出した形にしたいなぁと思っています。
ただ、魔法交騒譚は完成するのに2年掛かっていたので、次回作も2年以上掛かると見込んでおります。ゲームが完成するのが先か、私が折れるのが先か……。
今まで通り、無理せずに制作を続けていくつもりですので、気長にお待ち頂けると幸いです。
まだまだ、がんばる。
最後に、いつもの言葉で締めさせて頂きます。
ゲームに関わる全ての人々に、素晴らしきゲームライフを。
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