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ジャッカルD

Author:ジャッカルD
WOLF RPGエディター(通称:ウディタ)でゲーム制作をするウディタリアンです。マイペースにのんびりと制作をしています。メンタルが弱いので時々鬱っぽくなるのはご愛嬌。

ここでは制作の事とかリアルの事とかを思うままに書いていきたいと思います。月末1回の更新ができたらいいなと思ってます。

新しくホームページを開設しました。今後はそちらの方で作品を公開していきたいと思います。
王立魔術学院魔術研究室D

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『魔法幻奏譚~True Phantasmagoria~』のあとがき

魔法幻奏譚~True Phantasmagoria~』が無事に公開され、ウディフェスも閉幕しましたので、いつものようにあとがきを書きました。
本作を制作するにあたって考えた事や苦労した事などを、思い当たった勢いで書きましたので、箸休め程度にどうぞ。
相変わらず内容が長く、ネタバレも含まれていますので、未プレイの方は先にプレイしておく事を推奨します。というかプレイして下さい。

それでは、しばしお付き合いを。

※ネタバレが含まれていますので、未プレイの方は要注意!
※とても長いです。





■企画開始

さて、まずはじめに本作の企画についてですが、実は前作『魔法交騒譚~The Black Box~』が完成してからすぐにありました。
「続編を作りたい!」という思いで企画を始め、少しずつイメージを形にしていきました。

……で、一番悩んだのは主人公。

前作と同じにするべきか、変えるべきか。

前作主人公の三人でもキャラクターとして話はまだ描けますし、シリーズものらしくする事は出来ると思います。
ただ、それ以上に「新規で始めるプレイヤーに対して、不親切なストーリーになるのではないか?」という懸念がありました。シリーズもの作品でよくある「過去作をプレイしていないと最新作が楽しめない」問題ですね。
そもそもそういった作品と違い、個人で超スローペースで制作している都合上、前作の内容を覚えている人も多くないと考え、新規にプレイしても問題の小さい新主人公を採用する事にしました。

ちなみに、企画段階で既に脳内にキャラクターのイメージは出来ていたので、特にキャラの案出し等には苦労しませんでした。


■メインキャラクター

本作で主人公を務める三人については、前作公開時点である程度イメージしていたので、それを形にしていきました。
メインコンセプトは「前作主人公三人と似ているけど違う」というものです。
前作主人公であるアクア、フレイミ、クロアとはどこか共通点があるものの、やはり異なるキャラクターである、というようなコンセプトでデザインを進めました。
ですので、前作をプレイした方には本作の主人公にどこか見慣れたような感覚があったかもしれません。
けれども、前作の三人とはまったく異なる主義主張や価値観を持っており、最終的にはそれぞれ異なるキャラクターとして見てもらえるようにしました。
また、前作主人公のオマージュセリフもあったりします。気付いた方は、ジャッカルのファンを名乗る権利を差し上げます()

個々のデザインについてはうぃっちーずりばーし!のあとがきにも書きましたが、今回は詳細に書こうと思います。

ちなみに、ギャラリーのデザイン画を見ると分かりますが、デザインをしたのは2016年の9月頃。ゲームの完成に随分と時間をかけてしまいました。あまりにも古い絵で今では直視出来ないです。


◆エレス

コンセプトは「荒々しい不良少女」としてデザインしました。前作主人公だとフレイミに近くなるようなデザインです。
女の子らしくない、むしろ男勝りな性格で、身体が先に動いちゃうタイプ。ショットの性能も似ていますね。
フレイミとの差別点としては「捻くれ度合い」です。フレイミは真っ直で熱い性格ですが、エレスは捻くれていてアウトロー。そんなイメージでデザインを進めました。

一人称が「俺」(通称:俺女)で、「あー?」が口癖だったりと、非常にワルっぽい印象が強いですが、煙草ではなく棒付きキャンディを咥えていたり、手首にシュシュをはめていたりと、なけなしの可愛らしさを残しています。
雷属性魔法使いなので、全体的に黄色のイメージを持たせつつ、不良らしい格好にまとめました。切れ目に外ハネの多い金髪、腕まくりや一番上のボタンを外したブラウス、伸びたリボン、稲妻状の頬の傷……など。
また、不良ではあるものの優しい心も持ち合わせており、カタギには手を出さず、あくまで捻くれているだけ。そういった面をエンディングで見られたかと思います。

ショットやボム/バリアでも、らしさが表現できたと思います。いずれも非常に攻撃的で荒々しい性能となっております。
特に、バリアはどのスタイルでも攻撃性能を持っています。全てのスタイルのバリアで攻撃性能を持っているのはエレスのみです。
火力が集中するショットと、最高の移動速度のお陰で、撃破スピードは全キャラトップクラスであり、タイムボーナスを稼ぎやすくなっています。
ちなみに作者の脳内ではエレスはスピード型、フレイミはパワー型と区別しています。ゲーム内ではあんまり性能差は無いけど。

学院内では不良のトップとして恐れられていますが、そんな彼女の弱点はリーファとラッカ。リーファには(色々な意味で)勝てないし、ラッカにはついちょっかいを出しちゃう。個人的にはリーファ×エレスが好き。リーファが攻めor誘い受け。

エレスが捻くれて不良になった原因については語れずじまいですが、彼女の傍にいて、彼女の優しさを知り、受け入れてくれる人がいるので、きっと彼女は真っ当な道を歩んでいけるでしょう。

個人的に意外だったのが、プレイヤーさんからの人気が思ったよりも高かった事。確かにキャラ選択画面の初期位置でショット火力が高くて扱いやすいキャラですが、キャラクター自体の人気も高くて驚きました。
他二人が女の子らしいキャラなのに対して捻くれたキャラなので、あまり人気が出ないキャラかなぁと思っていたのですが、思いのほか人気が出ていて嬉しいです。彼女のどういった所を気に入って頂けたのでしょうか……?

名前の由来は「Electro(エレクトロ:電気)」。


◆リーファ

コンセプトは「母性に溢れた優しい大人の女性」としてデザインしました。前作主人公だとアクアに近いです。
優しくて礼儀正しく、誰にでも親切。こちらはショットの性能は似ていませんが。
アクアとの差別点は第一に見た目。アクアは薄い(何がとは言わない)ですが、リーファは大きい(何がとは言わない)です。
加えて、アクアは年齢相応の女の子ですが、リーファはずっと大人びています。ある意味、見た目はそれを反映させたような感じです。

物腰柔らかな言葉遣いと立ち振舞いで、まさしく大樹のように穏やかな性格ですが、どこか夢見がちなところがあり、おとぎ話のような平和を求めていたり、まだまだ年相応の少女らしい面もあったりします。読書家なのも、そういった理由からです。
木属性魔法使いという事で、緑中心のカラーリングにしつつ、大人びた印象を与えるためにクラシカルなデザインにしました。フリルで可愛らしさを出しつつも、落ち着いた印象になったと思います。
エンディングでは彼女の包容力と、未だに残る子供な面を意識して描きました。

ショットやボム/バリアでは彼女らしく落ち着いた感じにしました。
作者の脳内設定では6人の中では一番弱い設定(あくまで6人の中での話であり、学院の中ではトップクラス)で、弱さの理由は魔法の属性と彼女の優しさによるものです。
……ただ、開発中にその設定を無意識に反映させたせいかテストプレイで「弱くないか?」との指摘がありました。実際、ショット性能が最低クラスに設定されていたので、正式版ではショット火力を上方修正して他キャラクターと同程度にしました。もう弱キャラとは呼ばせない。
あと、作者はよく拡散タイプのショットを至近距離で全段撃ち込むスタイルをよくする関係上、それ前提で調整してしまったのもあります。でも、STGをやり込む方以外はそういったプレイをするのは稀で、基本的には下がって範囲攻撃する方が多いので、そういった使い方でも安定して削れるよう火力を調整しました。
もちろん、至近距離での火力は全キャラ最高クラスなので、勇気のある方はぜひ。ランキング上位を目指すなら、ほぼ必須のテクニックかもしれません。

……とか言いながら、アサルトスタイルでの火力がやはり高かったので、個別に調整を行いました。結果としてスコアにはあまり大きな影響はありませんので、安心してお使い下さい。
作者がプレイした中で特にスコアが稼ぎやすく、その理由について色々と考えた結果、諸々の性能の噛み合いが良すぎるせいという結論になりました。ショットの威力、レート、拡散範囲、ボムの性能、移動速度……等々。似た自機性能のクロアよりもゲームシステムとの噛み合いが良いので、スコアが稼ぎやすくなっていると感じました。

母性が溢れ出ているせいか、エレスとラッカにはついつい構ってしまいます。上でリーファ×エレスが好きと言ったけど、リーファ×ラッカも良い。おねロリはいいぞ。

リーファの心の中の不安は前作のフレイミ編のエンディングを見た方なら理解出来たかと思いますが、今作から始めた方には少し不親切だったかもしれません……。もし気になる方がいましたら、そちらもプレイして頂けたらと思います。
現実は物語のようにはならないし、苦しい事も悲しい事も多い。けれど、夢を持ち、理想を信じ、それを認めてくれる人がいてくれる。それが、彼女をさらに大人にさせてくれるでしょう。

名前の由来は「Leaf(リーフ:葉)」。


◆ラッカ

コンセプトは「明るく元気な幼い少女」としてデザインしました。前作主人公だとクロアと少し似ています。
共通点はロリ体型。二人とも年齢不相応の低身長っぷりで、しょっちゅう子供扱いされてしまいます。
一方、性格に関しては真逆で、クロアが寡黙でドライな性格に対して、ラッカは元気いっぱいで明るい性格です。こちらはエレスやリーファと比べて、だいぶ違う印象かと思います。

いつでも明るく楽しげで、語尾に「です!」が特徴な元気っ子ですが、リーファを超えるお節介焼きで、その度に「自分は子供ではなく大人なレディー」として振る舞おうとする可愛らしい少女として描きました。そういう所が子供っぽいけど。
創作だと地味に思われがちな地属性魔法使いですが、元気いっぱいな子供の印象を持たせるために、いわゆる萌え袖にしたり、ピンクのリボンをつけたり、八重歯にしたりと、茶色ベースのカラーリングながらも可愛く出来たと思います。
地属性魔法使いと言えば、(前作ステージ2ボスのように)よく堅物なイメージを与えますが、それとは反するキャラクターになったかと思います。デザインが似ているのは気のせい。

ショットやボム/バリアは思い切って派手なものにしました。地属性魔法らしい豪快な魔法ですが、彼女の元気いっぱいなところや、小さいながらも強力な印象を与えるために、あえてパワフルにデザインしました。
実は、ショットの単発火力は全キャラ最高だったりします。ただし、レートや同時発射数の関係で、実際は他キャラの方が強く感じる事が多いです。
それでも標準的なショット性能とトップの単発火力は相性が良く、エレスに次いで扱いやすい自機性能だと思います。

子供らしい性格なので、エレスからは子供扱いされ、リーファからは甘やかされてしまいます。エンディングではそんな微笑ましいやり取りが見られます。おねロリも良いけど、姐御キャラ×ロリっ子もいいよね。エレス×ラッカも全然アリ。

ラッカが大人として振る舞おうとしている理由はエンディングの通り。本当はまだ幼いけど、亡くしたものを埋め合わせるために大人に振る舞う。
一見、虚勢のように見えますが、それも彼女らしさの一つであるし、彼女の本心も受け入れてくれる人がいる。だから、彼女はいつものように元気いっぱいでいられるのです。

名前の由来は「Crag(クラッグ:切り立った岩)」。「絶壁」という意味もあるとか。


■Exキャラクター

なぜ作った。

いや、最初は軽いノリだったんですよ。「前作キャラもおまけで使えたら楽しいかなぁ~」って。
でも実際はめちゃくちゃ大変だったんですよ。単純にキャラが増えるだけでなく、後述のスタイルシステムもある関係で、実質9キャラ分の性能を実装する事になるので。
そもそも新主人公3人分を作るのに大変だったのに、なぜ作ろうとした。過去の自分を殴りたい案件。

……と、前置きはこの辺にして、真面目な内容。

前作『魔法交騒譚~The Black Box~』の主人公の3人をクリア後要素として追加しました。
条件としては、「今作主人公3人の全てのエンディングを見る」になっていますので、使ってみたい方はぜひ。

さて、キャラについては前作のあとがきに任せて、本作でのデザインについて書こうと思います。
というか、前作をプレイしていない方は前作をプレイして下さい。

今作に登場させるにあたって、服装を少し変えてみました。
具体的には、初夏の時期をイメージして、元々のデザインから少し涼し気な印象を与えるデザインにしました。
ゲーム内では珍しい服装の変化を楽しんで頂けたらと思います。


◆アクア

前作主人公のバランス型。本作でも扱いやすさはトップクラスだと思います。
ショットやボム/バリアも扱いやすい性能にして、どのスタイルでもクリアしやすいようになっています。

前作ではセーターを着ていましたが、本作では脱いで頂き、ブラウスの出した身軽な格好になりました。
元々、真面目なキャラとしてデザインしていましたので、制服姿は変えずに印象が変わるように目指しました。水属性魔法使いという点も合わせて、爽やかな感じがします。

普段は真面目な優等生ですが、幼馴染のフレイミとは本音をぶつけ合ったり、親友のクロアとはよく勉強を教え合ったりなど、年頃の女の子らしくデザインしています。
詳細については、前作をプレイして頂ければ。

自キャラのCPではダントツでアクア×フレイミが好き。幼馴染百合はいいぞ。


◆フレイミ

前作主人公の正面火力特化型。本作ではエレス以上の正面火力特化型で、ボムも全スタイルで正面攻撃になっています。
とにかく圧倒的なパワーで正面の敵を焼き払うというコンセプトですが、前作以上にクセが強い印象になりました。

前作との違いはローブ下の黒いワンピース。Vネックになり、丈も短くなっています。クリア後のデザイン画でないと確認できませんが、気になる方は見てみて下さい。
元々、ガサツで男勝りなキャラとしてデザインしていましたので、デザインも大きくは変えずに大雑把な印象を目指しました。非常に女の子らしい体型なのですが、本人はまったく気にしていないのもポイント。

勉強はダメダメな脳筋思考ですが、アクアとはなぜか馬が合うし、クロアとは不思議と仲良し。元々、友達が作りやすいタイプなのですが、この二人とは特に相性が良いです。
こちらの詳細も、前作をプレイして下さい。

フレイミ×クロアも良い。熱血っ子が寡黙っ子を引っ張るのは定番。


◆クロア

前作(隠し)主人公の範囲攻撃型。ショットだけでなくボム/バリアも範囲攻撃の特化型。
リーファとの違いはボム/バリアの火力で、より強力になっています。ただし、その代償としてショット火力が抑えられているので、非常にピーキーな性能になっています。このキャラでリベンジスタイルを使うのは個人的には苦行だと思ってます。
ちなみに、リベンジスタイルでのバリア使用時には、唯一専用カットインがあります。というのも、(設定上)明らかに他とは一線を画すレベルのものなので、特別に用意しました。開発中にその事を意識しすぎて、とんでもない性能になっていたので、正式版公開前に弱体化されました。

前作から特に印象が変わったキャラで、以前の黒く重い印象からだいぶ明るいイメージになったかと思います。デザインとしてはケープにフリルを加えたり、ミニハットにリボンを加えたりと、小規模な変化が多いですが、全体的に白に近いカラーリングに変わったような印象を受けます。
というのも、前作の数カ月後という事で、彼女自身の内面の変化を表した結果、このようなデザインになりました。

寡黙でドライ、幼気な体型と闇属性魔法使いとの事で異質な存在ですが、アクアとフレイミとは前作の事もあり、親友に恵まれています。彼女がここまで立ち直れたのも、二人の存在のお陰です。
詳細については、前作をプレイしてみて下さい。

あと、毎度本編で描写されないですが、とてつもない甘党だったりします。

アクア×クロアも全然アリ。優等生二人の百合もなかなか。


■システム

本作では新たにスタイルシステムを追加したり、ボム/バリアをゲージ半分で使用可能にしたりと、前作から追加/変更されたシステムがいくつかあります。
このシステムですが、実は結構苦労しましたので、その話を。

まず、本作は『魔法交騒譚~The Black Box~』の続編です。
ですので、前作よりもシステムを改善、及びパワーアップさせる必要があります。
そして、前作の操作感やゲームコンセプトを大きく変えないシステムにする必要がありました。

そうしていくつか案を出して考えていきました。
ここでは、その時の案を書き並べていこうと思います。


①ボム/バリアの半分/全力システム

魔力ゲージが全部溜まっている時と半分以上溜まっている時で性能が変化するというシステム。
こちらは本作で実装されたシステムですね。元ネタは某ロボットアニメシリーズの極限対戦ゲームの覚醒システム。ウッキー!

前作ではボム/バリアはゲージ制にして何度も使い回せるようなシステムにしましたが、その回転率を上げるために考えました。
そのため、前作よりもボム/バリアを小出しにしたり、使いたい時に使えるようになったかと思います。
これにより、攻略の幅が広がり、クリアだけでなくスコア稼ぎも行いやすいゲーム性になったと思います。

ちなみにゲージを最大まで溜めるとボム/バリアの効果時間が伸びたり、弾が大きくなったり、スコアが少し多めに入るようになったりします。攻略時の参考になれば。

しかし、これだけでは変化点が少なすぎるので、もう少しシステムを追加したいなと思いました。


②スタイル切り替えシステム

プレイ中にボタン入力する事で、その場でスタイルを切り替えるというシステム。
高火力のショットとボムが使える攻撃スタイル、ゲージ回復量が多くてバリアが使える防御スタイルの、2つのスタイルを適宜切り替えて攻略するシステムになります。
イメージとしては、『斑鳩』の白/黒切り替えのイメージです。あちらとは違い、自機性能ごと変化するものになっています。

ただし、この案には少し問題がありまして。それは「プレイヤーの操作が複雑になってしまう」という事です。

先に述べた通り、ボム/バリアを使うには、それぞれ対応したスタイルである必要があります。
そのため、使いたい時に咄嗟にボム/バリアを使う事が出来ないのです。特にバリアを咄嗟に使えないのはかなり痛手になると思います。
これについては「ボム/バリアをスタイルに関係なく使用出来るようにする」という案もありますが、そうなると今度は使用するボタン数が多くなり、やはり操作が煩わしくなってしまいます。
加えて、スタイルによる自機の変化が少なくなってしまうので、あまり良い解決策にはなりませんでした。

また、プレイ途中でキャラクターの性能を調整するのは、パターン構築が出来る上級者なら問題ありませんが、そもそもクリアするだけで精一杯の初心者の方にはかなり厳しいです。十中八九、どちらか一方のスタイルのみで攻略をする事になると思います。
そう考えると、元々のゲームのコンセプトである「初心者でも安心な低難易度STG」から少し逸れてしまうように感じました。

以上より、本作ではこのシステムの採用は見送りました。
……が、これは決して無駄ではなく、次のアイデアへの布石にもなりました。どうでもいいけど、「布石」と言うと「レスポンス」という言葉が出てくるくらいには頭がソーディア。


③スタイル固定システム

「プレイ中に切り替えるのが面倒だったら、最初からスタイルを決めてそれ固定にすれば良くない?」という発想で生まれたもの。
これなら、操作の煩わしさも解決しますし、上級者なら自身のプレイスタイルやパターンに合わせたスタイルを選べるので、初心者も上級者もプレイしやすい形に収まったと思います。

しかし、課題も残っており、それは「スタイル毎にどのくらい自機性能を変化させるか」という点です。
スタイルによってプレイスタイルも変わるのはもちろん有りだと思いますが、同じキャラでプレイスタイルを大きく変えてしまうのはどうか、と悩みました。
具体的な仕様やスタイルの種類を考えながら、その辺りを調整していき、結果として「キャラの性能を補完する」レベルの調整にしました。
基本的にはキャラがベースにいて、その取り回しをスタイルで改善していくイメージです。銃に例えると、グリップやサイトなどのアタッチメントを付けて個人好みに調整するような感じです。

ただ、自分としては初心者にスタイル選択に関する導入が弱かったなぁと思ったり。
Readmeには初心者向けのアドバイスを記載しましたが、ゲーム内では解説出来ていなかったので、そこは改善点かなと思います。
一応、初心者でも扱いやすいアサルトスタイルが初期カーソル位置にあるので、そういう意味でアサルトスタイルを選択するプレイヤーが多い……と信じています。
STGに慣れた人はリカバリースタイルやリベンジスタイルを使ってくれたらいいな……。

……といった感じで、本作の肝となるシステム案が出ました。
気分転換にスタイルを変えてみるのも面白いので、コンプリートを目指す方はたまにはスタイルを変えてみるのも良いかもしれません。新しい発見があるかも……?

さて、ここからは具体的なスタイルの中身について。
スタイルの種類についてはシステム案②にあった攻撃スタイルと防御スタイルの2つと、追加でもう一つ入れたいなぁと考えていました。
そこでふと、思い付いたのが、前作主人公の三人です。
前作主人公の三人はそれぞれ、安定志向のバランス型、ショット火力に優れた攻撃型、ボム/バリアが強力なスペル型、といったように調整されていました。
ですので、その調整をそのままスタイルの方向性にしようと思い、攻撃のアサルト、ゲージ回復のリカバリー、スペル特化のリベンジ、の3つのスタイルになりました。
よく見るとそれぞれのスタイルの文字も、前作主人公の色に合わせているのが分かるかと思います。

案が固まった所で、それぞれのスタイルの仕様についてまとめていきました。


◆アサルト

ショット火力に優れたスタイルで、ショットの火力とレートが向上するスタイルです。
STGの基本であるショットの性能が上がるので、初心者でも扱いやすく、上級者でも安定してプレイしやすい、攻撃的なスタイルです。
特に、雑魚狩りが得意で、群れる雑魚達をショットのみでバッサバッサと薙ぎ倒せるのはこのスタイルならではです。
また、ボス相手でも削り能力が高く、ショットのレートの高さもあってゲージ回復速度もそれなりなので、大抵の敵は問答無用で押し切れるパワー・イズ・ゴッドなスタイルです。
特に目立った欠点がないので、初心者にも勧めやすい、このゲームの基本とも言えるスタイルだと思います。

作者視点で強いて言うなら、せめて何かしらの欠点を与えたかったなぁというのが本音。ちょっと万能感があるせいで、他スタイルがあまり目立たない。
その辺りはスコア稼ぎで差別化出来たらなぁと思っています。今後もランキングを注視しながら調整をしようと考えています。

ちなみに案では「自機の移動速度上昇」といった効果もありましたが、キャラの使用感が大きく変化してしまいかねないのでボツにしました。エレスがあれ以上速くなると、もはや制御不能レベルになってしまう。


◆リカバリー

ゲージ回復に優れたスタイルで、常時グレイズ可能で、ボム/バリアが何度も使えるスタイルです。
STGに慣れた方だとボムを積極的に使う方が多いですが、そういった方に向いている、安定志向なパターン構築をするスタイルです。
特に、ボム/バリアを使いたい時に使えるのがポイントで、ステージ道中やボス戦の好きなタイミングでボム/バリアを使えるので、他スタイルでは出来ないようなボム/バリアを振り回したプレイングが出来ます。

欠点は、ボム/バリアの性能が控えめなのと、スコア倍率が他スタイルより低い事。
ボムはギリギリボスを削りきれるかどうかくらいの火力で、スコア倍率が抑えられているので、ハイスコアを目指すには少しパターンを工夫する必要があります。
また、ショット性能も抑えられているので、ショットだけでは切り抜けるのが難しい場面もあります。
そういった欠点踏まえて、いかに効率よくボム/バリアを回して攻略パターンの安定とスコア稼ぎを目指す、そんなスタイルになっています。


◆リベンジ

ボム/バリアの性能に特化したスタイルで、グレイズ時のゲージ回復量が高く、弾幕を掻い潜ってからの反撃を得意とするスタイルです。
その特性上、ショット性能は控えめなのに加えて、ショットのみでのゲージ回復量が少ないので、低難易度や初心者の方には扱いの難しいスタイルとなっています。
しかし、STGが得意な人には、ちょん避けや気合避けなどでグレイズし、効率的にスコアとゲージを稼いで、一気にボム/バリアで敵を蹴散らせるスタイルとなっています。
特に、ボム/バリアの性能は圧倒的で、まさしくこれまでの仕返しの如く、敵を一瞬で殲滅出来ます。我慢比べに自身のある方や、復讐のカタルシスが好きな方に。他のスタイルと比べてド派手なボム/バリアを放てます。

一方、欠点はやはりショットのみでの攻略が難しい事。
特に道中はパターンをうまく構築しないと、数で押し切られる事も少なくないです。
また、ボス戦でもボム/バリアを撃ち切った後にショットのみで乗り切らなければならないのも注意です。こちらも、ボム/バリアを使うタイミングが非常に重要になります。
いかに厳しくとも乗り切れるパターンを構築して、ボム/バリアで一気に切り抜けるかが重要なスタイルです。

また、ボム/バリア特化という特性上、スコアの倍率が高めに設定されています。
使用出来るタイミングは限られますが、単純なスコア稼ぎ能力は高いスタイルだと思います。ハイスコアを目指す方は、一度は挑戦してみてはいかがでしょうか? 慣れない内はショット性能に優れたエレス辺りがオススメです。
逆に最も辛いキャラはクロア。ショット性能を犠牲にボム/バリアに性能を極振りするためです。クロアをリベンジスタイルで使うなら、悪魔に魂を売るくらいの覚悟で。

ちなみに案では「自機の移動速度低下」といった効果もありましたが、こちらもボツに。クロアがあれ以上遅くなると、もはやゲームにならなくなってしまいかねないので。


■敵キャラクター&弾幕

敵キャラクターに関しては、大まかなテーマを持たせてデザインをしました。
というのも、それぞれのボスの弾幕に、そのテーマを表現させたいからです。

前作だとソフィ(ステージ4ボス)の弾幕が特に人気があり、自分としてもそういった弾幕を作りたいなぁと思ってました。
ですので、本作では各ボスキャラクターのテーマに合わせた弾幕を作るよう心がけました。
それに伴い、各弾幕のラフイラストを描いて、モチーフを生かした弾幕の形になるように作成しました。

それに合わせて、ボスの形態数も大幅に増加。前作ではExボスでも3形態のみでしたが、本作ではExボスで6形態も用意しました。
ただ、あんまり数が多すぎるのも初心者お断り感が出てしまうので、難易度によって形態数を変化させました。最低難易度と最高難易度では形態数は倍以上に増加します。
本作でもトレーニングモードがあり、コンティニュー数も無限に設定出来るので、弾幕を見たい方はそちらを活用して頂けたらと思います。

そういった意味で、今作ではボスが非常に特徴的で印象に残りやすくなっていると思います。
気に入った弾幕がありましたら、嬉しいです。


◆フォール(ステージ1ボス)

第一ボスであるフォールは、「落ち葉」「紅葉」をモチーフとした、寂しげな女性としてデザインしました。
「悲壮に揺れる落葉」の名の通り、失恋により心を失い、枯れ葉のように悲しげな印象を与えるようなイメージで描きました。対して、その胸はたわわに実っている。
服装は秋服をモチーフに、落ち着いた印象にまとめました。

弾幕も、「落ち葉」「紅葉」をモチーフにした弾幕にしました。
「落ち葉」という事もあり、全体的に弾速はゆっくりで、落ち着いていれば避けられる、最初のボスにはぴったりな弾幕になりました。

名前の由来は「Fall(フォール:落ちる/秋)」から。


・第一形態

第一形態は舞い落ちる落ち葉のイメージにしました。
ジグザグにゆっくりと紅葉が落ちてくる、シンプルな弾幕です。
少し複雑な動きなので、初めは少し驚くかもしれませんが、弾速が非常にゆっくりなので、落ち着いて対処すれば問題ありません。
また、低難易度だと弾の数も非常に少なくして、初心者でもクリアしやすいようにしました。
ちなみにキャラによってはその場から動かずにショットを撃ち続けると、敵弾が届く前に倒せたりします。


・第二形態:メイプルリーフ・シュート(Normal~)

第二形態は紅葉の葉がそれぞれ弾となって飛んでいくイメージです。
大きな紅葉が小さな木の葉に分かれて、画面に散らばっていくような弾幕になりました。
数は多いので高難易度だと戸惑ってしまいますが、実はこの葉っぱ、先端にしか当たり判定がありません。
なので、結構ギリギリでも躱せたりします。思い切って、グレイズ稼ぎを狙うのも有りかもしれません。


・第三形態:クリムゾンストーム(Hard~)

第三形態は木枯らしをイメージしました。
紅葉が風で渦巻き舞い散るような弾幕にしました。
そのため、最初のボスにしては画面のインパクトが非常に強い弾幕になったと思います。
弾幕としてはシンプルなものですが、弾の画像を差し替えるだけでも大きく印象が変わるなぁと、作りながら感じました。


◆エイブ(ステージ2ボス)

第二ボスのエイブは「荒々しい波」をモチーフにデザインを進めました。
そこから荒々しい気性、自身の実力を過信する性格など、非常に悪人っぽい感じのデザインになっていきました。前作の二面ボスもおっさんだったが、どうしてここまで差がついた。
服装は元魔術研究員という事で白衣を着せながら、波モチーフのインナーにしました。

弾幕も、波をイメージしたものにしました。
同心円状に弾をばら撒くシンプルな弾幕ですが、モチーフがあるとちゃんとした意味合いが出るのでいいですね。
また、第二ステージなので初心者でも避けやすい、あるいは練習になるような弾幕を意識して作りました。

名前の由来は「Wave(ウェーブ:波)」「Web(ウェブ:網)」から。
「Web」の方は、波模様と網模様が似ているという理由で、後付しました。


・第一形態

第一形態は前座のような扱いにしたいので、大きなひねりもなく、シンプルな弾幕にしました。
初心者の方にはここで同心円状全方位弾と自機狙い弾を覚えて頂くような構成にしました。
ですので、少し慣れた方は特に問題なくさっさと突破出来ると思います。


・第二形態:レイニーリップル(Normal~)

第二形態は雨の雫と、落ちた時の波紋をモチーフにしました。
画面上から弾が降ってきて、下端に落ちると波紋となって同心円状に弾が広がる、という弾幕になりました。
いきなり後ろから弾が飛んできて驚くかもしれませんが、弾数を控えめにしているので、落ち着いて見て対処すれば避けられるようにしました。
ここから、周囲の弾を観察する能力が必要になり始めると思います。


・第三形態:ウェーブウェブ(Hard~)

第三形態は波状、あるいは網目状に広がる弾幕をイメージとして作成しました。
非常に多くの弾をばら撒く、シンプルながら弾幕らしい弾幕になったと思います。
ただし、見た目以上に避けやすい構成にしました。これは、第二ボスなので難易度を抑える目的と、キャラの個性を表すためです。
なので、「荒々しい」が、「実力不足」な弾幕の形になりました。


◆フレクター(ステージ3ボス)

フレクターは見た目通りピエロをモチーフにしました。
なので、デザインに関してもピエロらしい格好にしました。自分で描くにしては奇抜な見た目になったなぁと思っています。
ちなみに分かりにくいですが、仮面を半分だけ付けています。元ネタは某ロボアニメのOVA版での全身弾薬庫機体、及びそのパイロットのピエロから。「弾切れを気にする必要は無い。」
「ラリラー!」という謎の掛け声を発しますが、これは某岩男実行ファイルに登場するサーカス男の掛け声のインスパイア。「フルッフー!」って掛け声のインパクトが強すぎる。
性格はピエロらしく陽気……に見えますが、文字通りのピエロなので、実際の性格とは異なります。

弾幕は反射弾を活かした、サーカスショーのように派手なものにしました。
当然ですが、弾が画面内のひっきりなしに飛び交うので、難易度もそれ相応のものになりました。
個人的には初心者の壁になるようなボスだと思います。

名前の由来は「Reflector(リフレクター:反射鏡)」から。弾幕の特性のまんまですね。


・第一形態

第一形態は相変わらず前座なので、シンプルな構成に。
ただし、「第三ステージのボスからが本番」と思わせるため、弾密度をこれまでより多くしました。


・第二形態:マジックホッケー

ここから反射弾を撃ち始めますが、最初なので横方向だけです。
それでも反射した時のインパクトは相当だと思います。冷静に距離を取って避ければ大丈夫、かと思いきや弾が反射してくるのですから。
特に、画面下端で避けようとするプレイヤーは苦戦しやすいと思います。画面の下側であればあるほど、反射した弾をたくさん避ける必要があるので。

ですので、この弾幕の攻略法は「画面中央付近で最低限の弾のみ躱す」というものになります。これに気付ければパターンが安定するのに加え、「画面上側にいればいるほど獲得出来スコアが多くなる」システムによりスコアが稼げます。
大事なのは、思い切って前に踏み出す事です。


・第三形態:リフレクションボール(Normal~)

今度は縦方向にも反射するように。その代わり、弾は時間経過で消滅するようになります。
しかし何より厄介なのが、少ない弾数であるものの、長時間かつ多方向から襲いかかる弾幕に対処しなければならない、という点です。
高難易度だと複数回放たれた弾を避けなければならないので、安定させるのが難しいです。

個人的には、このボスだとこの弾幕が一番苦手です。
というのも、この弾幕は最初必ず自機狙いで放ってくる関係上、第一形態や第二形態のように固定した動きをせず、自機の位置を細かく調整しないと弾幕のパターンを固定出来ないからです。
そのため、ちょっとした調整ミスで事故が起こりがちな弾幕という印象があります。
ですので、自分はこの弾幕は気合避けかボムで飛ばすようにしています。苦手な弾幕はボム/バリアで飛ばすという判断は高難易度だと非常に重要になってきますので、この辺りからそういったパターン化を意識してプレイして頂けたらと思います。


・第四形態:ナインショット(Hard~)

モチーフはビリヤードのルールの一つ「ナインボール」、及びそのゲーム開始時の「ブレイクショット」。某アセンブルロボゲーのアリーナのトップは無関係。デデデデストローイ
9発の弾が同時に発射されて画面内を反射して飛び交うという、モチーフ通りな弾幕になりました。
ただし、それだけだと感覚が麻痺してきたのかテストプレイした際に難易度が低く感じたので、最高難易度だと自機狙い弾も追加しました。これもうビリヤード関係無いじゃん。
とは言え、見た目の華やかさは本作屈指の弾幕だと思います。モチーフも分かりやすいですし、個人的には良弾幕だと思ってます。

この弾幕も多方向から飛び交う弾に対処しなければならないので、気合避けが基本になりそうです。
苦手に感じる方は、ボム/バリアを早めに切ってしまうのが良いと思います。


◆ケジィ(ステージ4ボス)

ケジィは「籠の中で育てられたドSなお嬢様」をイメージしてデザインしました。酷いイメージだ。
そのため、他のキャラよりも派手なデザインになりました。大胆に肩を出したり、スカートも思い切って露出のあるものにしました。
「籠」がモチーフなので、籠の形をしたヘッドアクセサリーや、スカートの骨を入れてみたりと、色々と実験的なデザインをしています。
性格も非常に悪く、「美しいものを籠の中に囚える」といった危ない感じを出しています。そういえば前作の三面ボスもドSなお姉さんだったような。
ただ、他のボス達と異なり、ミラージュの幻影の影響は小さく、自らの意思で幻影を受け入れ、行動しているような感じになりました。これもある意味、幻影の受け入れ方の一つなのかもしれません。

弾幕はモチーフ通り、「籠」を意識した作りにしました。具体的には、プレイヤーの行動を制限、阻害するような弾幕にしました。
加えて、ドSな性格に合わせて高弾速の弾を放つようにしました。上記の行動を阻害する弾幕と合わせると、「プレイヤーの行動を阻害、誘導して、そこを高弾速で撃ち抜く」といった戦術になります。
そういった意味で、非常に計算高い悪女に見えます。

ちなみにこのボスの全形態に共通する攻略法は、「最小限の動きで回避する」です。無理に籠の外に出るよりも、籠の中で最小限に立ち回り、グレイズを稼いで、ボムで一気にぶち壊すのが安定かつ効率的です。

名前の由来は「Cage(ケージ:鳥籠)」から。弾幕で放っているのは蝶だけど。


・第一形態

第一形態は(ry
ただ、第一形態と言えどモチーフには忠実で、上から行動を阻害する弾を放って、続けて自機狙い弾を撃つ、という流れになっています。
この時点で既に性格の悪い弾幕ですが、この後からどんどん性格の悪い弾幕が増えていきます。


・第二形態:サイドバインド

画面の左右、上下から挟み込むように弾が襲い掛かる弾幕。シンプルですが、丁寧な回避が必要になります。
特に最高難易度だとすり抜けるスペースが狭く、かつタイミングよく動かないといけないです。

初心者の方は、ここで低速移動を初めて使った方もいるのではないでしょうか。
上で述べたように、最小限の動きで回避するのが重要なボスなので、ここで低速移動に慣れて貰いたいと思っています。


・第三形態:フォーリングケージ(Normal~)

高弾速の籠を放った後に、高弾速の自機狙い弾を放つ、スピーディかつシビアな弾幕です。
特に高弾速に驚いて大きく動いてしまうと、後続の自機狙い弾に仕留められてしまいますので、ここでもやはり最小限の動きで丁寧に避けるのが一番です。

ちなみに、作者はこの形態はさっさとボムで飛ばします。理由は、単に面倒臭いからです()

余談ですが、最初はこの形態の弾幕は「サーキュラーケージ」という別の弾幕を考えていました。
内容としては、「画面全周囲から中心に向かって弾が飛んでくる」というものです。第二形態の「サイドバインド」の全方位版をイメージして頂けると、分かりやすいかもしれません。
しかし、現在のシステムだとそれを実現する事が不可能だったため、現在の弾幕に変更になりました。残念。


・第四形態:バタフライ・イン・ケージ(Hard~)

モチーフは「籠の中の蝶」。名前のまんまですね。
画面全体に無数の籠弾を放ち、蝶が飛んでくるという、シンプルな構造ながらも華やかな弾幕です。
特に、弾の画像に力を入れました。籠の外側、内側、そして蝶と、それぞれの弾のグラフィックを用意して、非常に綺羅びやかなビジュアルになりました。

弾幕としても、狭いスペースに飛び交う自機狙いの蝶弾を躱す必要があり、非常にシビアなものになりました。
ここでもやはり、最小限の動きで凌ぐ技術が求められます。

ちなみに、蝶弾は見た目よりも当たり判定が小さく設定されていますので、画面の中央付近で立ち回る事も出来ます。
グレイズによるスコアとゲージ稼ぎが捗るので、腕に自身のある方はぜひ。自分はこの弾幕でグレイズしまくるのが好きなので、よく前方で立ち回っています。

あと、この弾幕でボムを使用すると籠を壊すような見た目になるのが個人的に好きです。オススメはラッカのリベンジスタイルのボム「ストーンアバランチ」。
また、バリアで籠に穴を開けるのも良いです。クロアのアサルトスタイルのバリア「ブラックホール」がオススメ。

本作の中でも非常に見栄えの良い弾幕だと思っています。


◆ヘクス(ステージ5ボス)

モチーフは「前作のExボス(賢者)」。もちろん、ただの真似事ですが。
そのため、デザインは簡単に出来ました。賢者が紺色なのに対して、こちらは紫色にしたり、フードを被せたりしましたが。

「賢者を盲信し、今回の事件を起こした」といった設定から、魔法に対して危険な考えを持ち、視野が狭く、自己暗示をしてしまうという細かな設定を作りました。
これだけだと小物臭が凄いですが、五面ボスという事もあり、それ相応の強さには間違いありません。

弾幕は、闇属性魔法らしいものと、前作Exボスの弾幕のリスペクトを混ぜてあります。
前作をプレイした方は、懐かしいと感じたかもしれません。

名前の由来は「Hex(ヘクス:魔女)」。なんて捻りのない名前なんだ。


・第一形態

前作Exボス第一形態リスペクト。
内容はほとんどそのままで、左右に動いて弾をばら撒く所を自機狙い弾に変えただけ。
一応、通常ラスボスなので、第一形態と言えどそれなりの弾幕にはしました。


・第二形態:スパイダースレッド

モチーフは「蜘蛛の糸」。画面外から蜘蛛が出現して糸を引き、糸が自機目掛けて飛んでくるイメージです。
ぱっと見の弾数は多くないので簡単そうに見えますが、恐らく本作で最も危険な弾幕だと思います。

ポイントは、「自機狙い弾が順次飛んでくる事」「その弾が画面の端から端まで並ぶ事」「最高難易度だと蜘蛛が3体(自機狙い弾が3倍かつ3ライン)」です。
これにより最高難易度だと、ショットのみでの攻略は不可能レベルの弾幕になってしまいました。どうしてこうなった。

なので、この弾幕は即ボムで飛ばす事をオススメします。幸い、第一形態は難しくないので、そこでゲージを最大まで溜めておけば、開幕ボムで即終了させられます。
もし、どうしてもショットのみで攻略しようという方は……頑張って下さい。自分からは、それしか言えません()


・第三形態:ソウルストリーム

モチーフは「霊魂の群れ」。霊魂が波のように流れていくイメージです。
画面上方から大きな霊魂の群れが降ってきて、ボス本体から小さな霊魂が放たれる、という弾幕です。

とにかく弾密度が高く、常にギリギリの回避が求められる弾幕になっています。流石は、第五ボスといった所です。
ですが、実は意外と下端に張り付かなくても回避が出来るので、画面中央付近でひたすら気合避けをする事が可能です。
こちらもグレイズをガンガン行える上に、ケジィの「バタフライ・イン・ケージ」と異なり、相手の弾を見てから避けるのが基本になるため、個人的には避けてて一番楽しい弾幕です。
特に、リベンジスタイルだとモリモリゲージが増えていくので、非常に楽しいです。溜めたゲージはその場で吐くも良し、後の形態に取っておくのも良し。


・第四形態:ダーククリスタル(Normal~)

モチーフは「前作Exボス第二形態」。
ぶっちゃけ弾幕の内容もほぼ同じなので、前作をプレイした方は当時の攻略法がそのまま活かせるので、試してみて下さい。

真面目に解説すると、4つのクリスタルを召喚して、合計5体から攻撃を行うという弾幕です。
それぞれのクリスタルにも体力があるので、クリスタルを壊していくと弾幕が薄くなるので、弾幕を避けつつショットで上手く壊していくと楽になります。

そして、絶好のスコア稼ぎスポットでもあります。
それぞれのクリスタルに攻撃をしてもスコアが稼げるので、ボムを当てた際のスコアが凄まじいです。
スコア目当てに開幕ボムでクリスタルごとボスを消し飛ばすのも全然アリ。ランキング上位を目指す方は、一度は試してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、作者はこの後の弾幕が苦手なので、ボムは取っておきます。


・第五形態:ドッペルゲンガー(Hard~)

モチーフは「前作Exボス第三形態」。
自身の黒い分身を召喚して同時攻撃を行う、というものです。

弾幕の内容も分身が移動しない点を除けば、ほぼほぼ同じです。分身が移動しない分、今作の方が楽かもしれません。
「ダーククリスタル」よりも敵の数が少ないですが、代わりに放つ弾数が増えており、丁寧な回避が求められます。
また、分身にも体力があるので、撃破すると弾幕が薄くなるので有効です。

ちなみに、このスペルの時だけボスのカットインが異なります。本気を出している事が伺えますね。

そしてこのスペルもスコア稼ぎに向いています。理由は第四形態と同じ。
最終形態でもあるので、ゲージが溜まっていたら即ボムで一気にスコアを稼ぎましょう。


◆ミラージュ(Exステージボス)

本作の黒幕。
モチーフは「ファンタジー上の風来坊」。忽然と現れて、人を唆していくイメージです。
「霧」や「幻」をイメージして全体的に薄い色合いにして、正体不明なので中性的にデザインしました。

正体不明の存在であり、本人からも「人ならざるもの」と呼んでいます。作者としては「悪魔」に近い存在だと考えています。
本作の事件の発端で、他ステージのボス達を幻影で唆し、悪の道へと導いた存在です。
前作Exボス(賢者)は「魔法は破滅をもたらすもの」という思想で動いていましたが、こちらは「自分が楽しいから」という理由で事件を起こしたので、ある意味、賢者よりも危険な存在に見えます。

弾幕は幻影を意識して、認識を騙すような弾幕や、幻影を用いた弾幕にしました。
特に、弾速の異なる弾を同時に発射するので、着弾タイミングの認識が狂わされてしまいます。
ですので非常に目に悪い避けにくい弾幕だと感じたかと思います。というか、作っている時でも認識がおかしくなりそうになりました。

名前の由来は「Mirage(ミラージュ:幻覚)」から。決して某バトロワゲーのホログラム使いではない。「騙されたな!」


・第一形態

前座形態ですが、Exステージなのでだいぶ弾密度を高く設定しました。
また、この形態でも弾速違いの弾を放つので、しっかりとタイミングを覚えないと事故を起こしてしまいます。
ですので、最高難易度だとパターンの構築と精密な操作がこの時点で求められてきます。


・第二形態:白霧の海

モチーフは「霧」。白い霧がゆっくりと流れてくるイメージです。
フォールの第一形態のように、ジグザグに進む弾幕が、今度は画面全体に発生します。
また、フォールのものとは異なり、弾が停止しないので、波打つように動きながら迫ってきます。

そのため、長時間見ていると弾の位置の認識がおかしくなってしまうような見た目になりました。
さらに、最高難易度だと全方位弾も放たれるので、波打つ動きと合わせて、弾の正確な軌道が認識しづらくなります。
慣れない内は距離を取って、タイミングよく回避するのに集中するのが良いと思います。

実はこの弾幕、最高難易度でも安地があります。しかも、敵にショットが当てられる位置に。
この安地にいるとショットを当てられる上に、低速移動ボタンを押しながらじっとしているだけでグレイズも稼げるので、パターン構築において非常に優秀です。
しかし、先程も述べた通り正確な軌道が把握しづらいせいで、安地の場所を把握するのが難しいです。正確な場所を覚えるなら、ステージ背景やUIを基準にするのが良いと思います。


・第三形態:魔弾の走馬灯

モチーフは「次々と迫りくる幻」。さながら、走馬灯が駆けるように弾が降ってきます。
弾速の異なる弾が降り注ぎ、自機狙い弾も弾速違いの弾で刺してくるような構成になりました。

この弾幕の厄介なのが、「弾速の異なる弾が直線状に降り注ぐので、壁のようになる」所です。
そのため、見た目以上に回避のスペースが狭く、また、自機狙い弾のタイミングが絶妙で、ちょうど回避スペースを潰すように放たれます。
これにより、見た目以上にシビアかつ高難易度な弾幕になりました。
恐らくここで、残機を削られた方も多いのではないのでしょうか。

ちなみに作者はこの弾幕を、だいたい初期位置(ボス戦開始時や被弾後の復活時の場所)で回避します。ちょうど自機狙い弾が落下弾の位置に来るように誘導して、タイミングよく躱します。
これにより、回避行動は最小限で済むのでグレイズ稼ぎも行え、ショットの撃ち込みもしやすいです。
ただし、タイミングが非常にシビアで、少しでも立ち位置やタイミングが狂うと即被弾してしまいます。何度もプレイしても、なかなか安定しませんでした。
ですので、この回避方法は上級者向けだと思います。腕に自身のある方は。
ちなみに何故、このような回避方法を取ったのかと言うと、次の弾幕をボムで飛ばしたいためです。


・第四形態:幻影の舞(Normal~)

お馴染みの分身弾幕。
ですので、攻略法はヘクスの「ダーククリスタル」や「ドッペルゲンガー」と同じように、分身を壊すと楽になる……という事はありません。
この分身は「幻影」なので、破壊はおろか攻撃を当てる事が出来ません。なので、分身を壊して楽をする事は出来ません。そしてスコア稼ぎも出来ない。

そしてその分身が弾速の異なる弾を次々と放ってくるので、多方向から弾速違いの弾に対処しなければならず、非常に難しい弾幕になっています。
特に、全方位攻撃からの高速全方位弾は非常に回避が難しく、タイミングも位置取りも非常にシビアです。

少なくとも、作者はこの弾幕を真面目にノーミスで突破する事が出来ません。
恐らく、本作の弾幕の中では二番目に危険な弾幕だと思います(一位はヘクスの「スパイダースレッド」)。

ですので、基本的にはボムで飛ばすのを推奨します。
後の形態はまだ気合避けで対応可能なので、ここは安全に突破したい所です。


・第五形態:ミラージュヴィレン(Hard~)

一面~五面のボスの幻影がランダムで現れ、それぞれ対応した弾幕を放ちます。
それぞれが放つ弾幕は、以下の通りです。

フォール:クリムゾンストーム
エイブ:ウェーブウェブ
フレクター:ナインショット
ケジィ:サイドバインド
ヘクス:ソウルストリーム

既に攻略した弾幕なので単体だと驚異ではありませんが、これらの弾幕がランダムで立て続けに繰り出されるので、アドリブで次々と変化する弾幕に対応しなければなりません。
特に恐ろしいのは、フレクターの「ナインショット」、ケジィの「サイドバインド」、ヘクスの「ソウルストリーム」です。

フレクターの「ナインショット」は長時間持続するので、次の弾幕と同時に回避する必要があり、非常に危険です。
ケジィの「サイドバインド」も同様に持続が長いので、次の弾幕とほぼ同時に対応する必要があります。
ヘクスの「ソウルストリーム」は単純に弾密度が高く、気合避けが求められるので、シンプルに難しいです。
何より上記の弾幕が連続して来た際の難易度は凄まじく、ほぼお祈り状態になってしまいかねません。

兎にも角にも、プレイヤーのアドリブ回避力が求められる弾幕で、地力が試される弾幕と言っても過言ではありません。
終盤という事もあり、危険だと感じたら早めにボム/バリアを切りたい所です。


・第六形態:フェイクヒロイン(Despair)

今度は自機キャラ6人の幻影がランダムに現れて弾幕を放ちます。
弾幕はそれぞれのボム攻撃をボス用に強化したものになります。
それぞれが放つ弾幕は、以下の通りです。

エレス:サンダークラッシュ
リーファ:リーフストーム
ラッカ:ストーンアバランチ
アクア:スプラッシュショット
フレイミ:メルティングブラスター
クロア:アビスバースト

こちらも前形態と同様に、単体で対応出来ても、複合で放たれたり、連続して繰り出されるので、アドリブ回避力が試されます。
また、弾のサイズも大きく、回避できるスペースも非常に限られています。
特に危険なのがラッカの「ストーンアバランチ」、フレイミの「メルティングブラスター」。

「ストーンアバランチ」はプレイヤーのものと同様に画面上から岩が降り注ぐ弾幕ですが、持続が長いので他の弾幕と重なってくるので非常に危険です。
「メルティングブラスター」もプレイヤーのものと同様に極太の炎を照射しますが、他の弾幕の回避に合わせて回避するのが非常に難しいです。必ず自機正面に現れるので、狭い隙間を縫いつつ移動しなければなりません。
他にも、「リーフストーム」や「スプラッシュショット」も必ず自機正面に現れるので、否応なしに回避パターンを制限させられてしまいます。

前形態をさらにシビアにしたような弾幕で、ラストに相応しい弾幕だと思います。
攻略法も同様に、地力が求められる弾幕なので、最後の最後で気合を振り絞って避けるしかありません。
最終弾幕なので、ゲージが溜まったら即ボム/バリアでクリアしましょう。
一応、弾密度が高いお陰でグレイズがしやすいので、焦らず落ち着いてグレイズしてゲージを素早く溜めれば然程時間を掛けずに突破出来ます。


■ストーリー

毎度悩むストーリー。
というのも、STGだとストーリーを見せるのがゲームプレイ前と、ボス戦の前後と、クリア後だけになってしまうので、じっくりと繋がりのあるストーリーを見せるのが難しいからです。
本来ならば、『十日間の白雪姫』のように繊細なストーリーが描きたいのですが、ゲームシステム上そうも出来ないので、本作はシンプルなストーリーにしました。

結果、「黒幕に幻影で操られた者を退治する」というものになりました。
前作との繋がりを示すため、操られて事件を起こした人物の見せられた幻影は「前作の黒幕(賢者)」という形にしました。

そうしてアイデアを出しながら、本作のストーリーのコンセプトである「幻との向き合い」を形にしました。

エンディングでは、主人公達がそれぞれの内に抱く幻と向き合うような話にしました。
前作でも似たような展開をしましたが、本作ではもう少しテーマが分かるような形にしました。

幻に振り回されて悪に手を染めてしまう者、幻に縋り付いてその身を縛り付ける者、そして幻から目を背けてしまう者。
内なる幻でありながら、心の中の真実に、登場人物達は見せつけられ、そして何を見るのか。

自らの存在を赦して貰いたい。現実とはかけ離れた御伽噺を信じ続けたい。かつて失ったものを模倣して傍に残しておきたい。
そんな幼さが残るような幻を心の内に秘め続けるも、いつかそれが幻であると突き付けられ、そして崩れ去ってしまう。

では、その幻は無価値なものなのか? 無意味なものなのか? 卑しいものなのか? 答えは否。
その幻を、夢を、願いを持つからこそ、出来る事がある。成せる事がある。
だからこそ、彼女達は悪を挫き、人を助け、みんなを笑顔に出来るのだ。

例え「幻」と呼ばれようとも、その幻はその人の大切なものであり、その人の中の真実なのだ。
そして、その幻を認め、赦してくれる人がいる。そんな人が、あなたの傍にいるから。

そんな思いでエンディングを書きました。
なのでExステージクリア後はシリアスな雰囲気ですが、ちゃんとエンディング後では明るい気持ちになれるような話にしました。

前作ではエンディングが各キャラ3つありましたが、流石に数が多くて周回するのが大変だと感じたので、各キャラ2つに減らしました。
それでも、描きたいものが描けたので満足しています。

前作と同様に、選択したプレイヤーキャラと、他のプレイヤーキャラでエンディングが構成されています。
これまでのボス戦での会話とは異なり、非常に和気藹々とした会話や、相手を思いやるようなセリフが多いです。
シリアスな要素も少なくない作品ですので、そういった会話シーンで癒されて頂けたらと思います。

個人的に本作のエンディングは百合要素が濃い気がする。三人共イチャイチャしている印象がある。皆さんはどのエンディングが好きですか?


■ザコ敵&道中

ザコ敵は今回新たに描き下ろしました。
前作ではデフォルト素材のキャラチップを使用していましたが、今作では画面サイズが拡大したのに合わせて、新規にイラストを描きました。
加えて、前作だと敵のサイズが小さくてショットを撃ち込みにくいと感じたので、全体的に大きめのサイズに設定しました。
ザコ敵のデザイン自体は前作をベースにしつつも、いくつかオリジナルにしました。
その分、ザコ敵の種類は減ってしまいましたが、ステージ進行に合わせて出していったので、種類の少なさはあまり気にならないようにしました。

また、今作では前作よりもゲームスピードを上げる都合上、耐久力を前作よりも少なめに設定しました。
特にコウモリが顕著ですね。次々と敵を倒していく爽快感が得られたと思います。

ステージ道中の構成ですが、各ステージ毎に操作の練習や、新ザコ敵のお披露目を意識して作成しました。
特に、第一ステージはコウモリだけの構成にして、STG初心者でも簡単にクリア出来て、かつ基本的な操作を覚えられるような構成にしました。
それ以降のステージも、新しく出てくるザコ敵にフォーカスするような構成にしました。
もちろん、ステージが進むに連れて難易度を上げていって、最終的にExステージでは全てのザコ敵が群れを成すような形になりました。
これにより、最初から最後まで楽しめるような構成になれたのではないかと思います。

また、本作ではザコ敵のウェーブを全滅させたら、次のウェーブがすぐに出現するようにしました。
これにはいくつか理由があります。

一つは、ザコ敵を次々と倒していく爽快感を持たせるためです。
STGの道中は、迫り来るザコ敵達をどんどん倒していくのが楽しいので、そういった楽しみを与えられるようにするためです。
前作ではザコ敵は決まったタイミングで出現するので、ボムなどでザコ敵を早く倒すと次のザコ敵が出るまで長い時間待たせてしまいました。その問題点を、今作では解消させました。

もう一つは、クリア時のクリアタイムボーナスとの兼ね合いです。
前作ではザコ敵の出現は決まったタイミングであったため、道中からボス戦開始までの時間は固定されていました。このため、いくら道中を工夫しても、クリアタイムボーナスは全く増えないという問題点がありました。
ですので、本作ではザコ敵を倒したら次のザコ敵が出現し、早く敵を倒すほどクリアタイムが短くなり、スコアボーナスがたくさん貰えるようにしました。これにより、よりスコアを意識したプレイングが出来て、オンラインランキングと好相性になりました。

その分、道中の長さが短く感じたかもしれませんが、ボス戦のボリュームがあるのでこのくらいでも大丈夫かなぁと思っています。Exステージは道中も結構長めですし……。


■チュートリアル

本作ではチュートリアルを実装しました。
「初心者向け」と銘打っているので、初めてSTGをプレイする方でも安心してプレイして頂けるように用意しました。
何気に、自分の作品で初めてチュートリアルを作りました。通常プレイのシステムにチュートリアル用のシステムや操作制限を入れたりする必要があるので大変でしたが、幸いボス戦の仕組みを活かせたので、そんなに中身が複雑にならずに済みました。

ただ、心残りも少しあります。上でも述べましたが、スタイルシステムの説明がチュートリアルでは入れられませんでした。
というのも、チュートリアルをやって頂いた方なら分かると思いますが、チュートリアルの中身はあくまでプレイ中の操作やシステムに関するものであり、ゲームプレイ前のキャラクター選択やスタイル選択、難易度選択に関するものを教えられないからです。あくまで、STGの基本的な操作を覚えてもらうといった内容になっています。
どれを選んでも問題のないキャラクターや、なんとなくで選べる難易度と異なり、スタイルは本作独自の要素なので、出来ればチュートリアルでアドバイスくらいは入れた方が良かったかなぁと思っています。
(本来ならばどのスタイルを選んでも問題の無い程度の調整にすべきなのですが、プレイ感が変わるくらいの変化にしているので、初心者には扱いやすいスタイルと、扱いにくいスタイルがあります。特にリベンジスタイルは初心者には難しいスタイルだと思います。)
この辺りは、今後のアップデートで改善する……かもしれません。

さて、チュートリアルの中身についてですが、初心者向けという事で「STGの基本操作を覚える」をメインに考えました。
それぞれの項目について見てみましょう。


①移動

まずは基本の移動。指定した場所に移動してもらうという簡単な内容です。
ですが、重要なのは「このゲームは上下左右斜めにも、画面全体に自由に移動出来る」という事。
なので、移動先は四隅などの大きく離れた場所に指定しました。

過去に前作のプレイを見せて頂いた時があるのですが、その時に初心者の方が真横しか移動しなかったり等、画面を広く使わない事が多かった事を覚えています。
そのため、今作のチュートリアルでは最初に左右、次に上下斜め、最後に初期位置に戻る、といった順序で移動して貰い、左右だけでなく上下や斜めに移動できる事の学習や、画面全体を移動できる事について教えるようにしました。
また、最後の初期位置に戻らせるのは次のチュートリアル用に戻ってもらうという作者の意図に加えて、サイズを小さくして低速移動を使って貰うようにしました。
慣れた人は通常移動でも初期位置に戻れますが、初心者の方にはここで低速移動を使って丁寧に戻って頂けたらなと思います。


②ショット

続いてこちらも基本のショット。敵にショットを撃ち込んでもらうだけの内容です。
ただし、それだけではつまらないので、敵にも攻撃して頂きました。「敵の攻撃を躱しつつ、自機の攻撃を当てる」というSTGの基本ルールを学ぶためです。
とは言え、いきなり本気で攻撃しては可哀想なので、忖度手加減して正面は安全にしました。もちろん、敵の攻撃に当たったらミスになりますが、残機は無限に設定しているので安心です。

ちなみにこの時の的>相手役は例の少女。相手役のキャラをどうしようか悩んでいた所、ちょうどいい感じの画像がフォルダにあったので採用しました。
イメージとしては、学院で魔法勝負の基本を学んでいるようなイメージです。


③ボム

こちらもSTGの定番システムですが、本作は一般的なSTGのボムとは異なる点があるので、それを説明するようにしました。

まず一つがゲージ制。ゲージを溜めると何度でも使用出来るというものです。
ただし、一度ボムを使用するとゲージがゼロになるので、回数制とは違って連続しての使用が出来ません。なので、攻略の際は使用するタイミングが重要になります。

もう一つが、「ボムによる敵弾消しや無敵が無い」という事。
一般的なSTGだと「どんな状況でも打開できる必殺技」であり、一方的に大火力を敵に浴びせられる大技として設定されています。
しかし、本作ではバリアとの差別化する関係上、ボムに弾消しや無敵が付いていません。ですので、その点は注意して頂く必要があります。

なお、それによるゲーム性への影響ですが、ボム/バリアの使い分けによるプレイング幅の広がりに対して、デメリットはあまり無いと思っています。
というのも、そもそもこのゲームの難易度が低いので、「弾消しを使用しないとどうしようもない状況」というのがほとんどありません。
加えて、そういった状況でもバリアの使用で突破可能(バリアをゲージ満タンで使用すれば、どのボスもそのままショット+バリア攻撃で撃破可能)なので、どちらにせよ問題は無いと思っています。
スコア的に言うなら、バリアよりもボムの方が稼げるので、「ハイリスク・ハイリターンのボム、安定のバリア」といった棲み分けが出来ると思っています。
そして、腕の立つ方ならきっと、激しい弾幕の中でも問題なくボムを使用出来ると思っています。

ちなみにこの時の相手は例の少女。こちらは攻撃してきません。ちょっと可哀想。


③バリア

こちらはややオリジナルなシステムなので、先程のボムの弾消し&無敵無しと合わせて、丁寧に説明しました。
また、敵の攻撃は激しくし、バリアを使わないと躱すのが難しい弾幕にしました。

ここで大事なのは、「どんなに激しい弾幕でもバリアで防げる」という点。
「どうしても避けられそうにない弾幕が来たらバリアで乗り切る」という事を、初心者の方に教えるようにしました。
元々、バリア自体が初心者の方向けのシステムとして設計しましたので、ここで使い方を理解して貰えるようにしました。

ちなみにこの時は相手が映っていませんが、放たれる弾幕から推測出来ますが、こちらも例の少女です。一人だけ撃破されない。
なんやかんやで、チュートリアルで前作主人公全員が出てたりします。


④終わりに

最後にちょっとしたアドバイス。STG初心者の方向けのアドバイスを記載しました。
STGを初めてプレイするような方は、変に見栄を張らずに難易度Easyでプレイして頂くように勧めました。
もし、Easyが簡単に感じられても、本作はストーリーを読み終えるのに何周かする必要があるので、その際に難易度を上げて頂ければ良いと考えました。
とにかく、本作を楽しんで頂く事が一番大事ですので、楽しんでプレイして頂けるようなアドバイスを書きました。


■SE

SEはいつも通り素材サイト様からお借りしています。
ですが、本作では敵の攻撃時にもSEを鳴らすようにしました。

前作では敵の攻撃時にはSEが鳴らず、ほとんど自機のSEと撃破音しか聞こえませんでした。
それだとやはり寂しいなぁと思い、今作では敵の行動に合わせてSEを鳴らすようにしました。
これにより、かなり賑やかになったと思います。特に、ボス戦では派手な弾幕と合わせて非常に見栄えの良いシーンになったと思います。

(ちなみに前作でSEを鳴らさなかったのはウディタ側のバグによるものもありました。無事、修正されたのでSEを鳴らす事にしました。)


■BGM

こちらもいつも通り素材サイト様からお借りする事に。
……ですが、今作のギャラリーにあるミュージックルームを見た方なら分かりますが、今作のBGMはなんと一つの素材サイト様の素材のみ使用しています。

お借りした素材サイト様はいつも利用させて頂いている、音楽の卵様。『十日間の白雪姫』でも全BGMをこちらからお借りしましたが、今作でも全てのBGM素材を音楽の卵様からお借りしています。

……いや、本当は他のサイト様の素材を使おうと思ったんですよ。
ですが、それぞれのシーンに合う音楽を絞りに絞っていって、気付いたら音楽の卵様だけになっていたんですよ。忖度とか贔屓とか一切無しで。

という訳で今作は音楽の卵様の音楽をたくさん利用させて頂きました。
前作から引き続き、タイトル、キャラクターセレクト、ギャラリー、エンディングなどの素材を使わせて頂き、今作でも新たに素材を使わせて頂きました。
もし、気に入った曲がありましたら、ぜひ音楽の卵様からDLしてみて下さい。

素敵な曲を、ありがとうございます。


■オンラインランキング

本作の目玉とも言える、オンラインランキング。
公開直後からランキングに登録して頂ける方が多く、一位争いも行われ、作者としては非常に嬉しい思いで一杯です。

さて、今回オンラインランキングを実装するにあたって、あれこれ勉強しました。
元々オンラインシステムは前作でオンラインアップデートを作った程度の知識しかなかったので、実際にサーバーにデータを送って、サーバー上でプログラムを走らせて、その結果をウディタに返すシステムを作るのは今回が初めてでした。
なので、色々と手探りながらもシステムを構築していきました。

ウディタ界隈には技術力お化け(褒め言葉)な方が数多くいて、その中にも色々と公開して下さっている方がいます。
今回のオンラインランキングも、そんな偉大なる先駆者様の知見や知識をお借りして作成しました。
特に、以下の方が公開して頂いている情報が非常に分かりやすく、今回のオンラインランキングシステム作成にあたって非常に参考になりました。この場をお借りして、お礼を言わせて下さい。本当に、ありがとうございます。

Rtt様:Googleスプレッドシートでつくる! かんたんオンラインランキング
ひげ様:ダウンロード機能

また、Rtt様の『UTF-8エンコード&デコードコモン』をお借りしております。合わせてお礼を申し上げます。

そんなオンラインランキングですが、実はプレイヤー名とスコアの他に、こっそりと、その時の使用キャラクターとスタイル、難易度も同時にサーバーにアップロードしています。
ゲーム内では閲覧出来ず、作者が直接サーバーのファイルを見る事で確認出来ます。
これらの情報をサーバーに上げる理由として、いくつかあります。

一つは、アップデートでバランス調整する際の参考にするためです。
ランキングに掲載されているスコアはどのキャラクター、スタイルに偏っているのかを把握する事で、どのような調整をすべきなのかがイメージしやすくなります。
今作の目安として、どのキャラクター、スタイルでもハイスコアを目指せるようなバランスにしたいので、今後もランキングの動向に注目して調整していきたいと思います。

もう一つが、プレイヤー層の把握です。
プレイヤーの実力はどの程度のものなのか、どのプレイスタイルを好むのか、といった情報を収集するためです。
本作は「初心者向け弾幕シューティング」をコンセプトに掲げているので、プレイヤーがどの難易度をクリアしていて、どのくらいスコアを稼いでいて、そのキャラとスタイルでクリアしているのかを確認して、どのプレイヤー層でも楽しめているかどうかを確認しています。
今後も、プレイヤー層を意識しながらアップデートをしていきたいと思います。

ですので、作者としてはスコアはどんどんアップロードして頂きたいというのが本音です。
「スコアが低くて恥ずかしい」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、作者としてはそういった方の情報こそ欲しいので、プレイしたらどんどんスコアをアップロードして頂きたいです。

作者としては皆様のスコアを見るのが楽しみです。
特に、攻略を進めていってスコアを稼いでランキング上位に上がってきた方を眺めると、「あぁ、自分の作品を本気でプレイしてくれている方がいるんだなぁ」という気持ちになり、非常に嬉しいです。
あとがき執筆時点のバージョン(Regulation ver 1.03)でのトップのスコアが147万点で、ステージ及びボスの攻略をかなり詰めていて、プレイヤーさんの本気が伺えるスコアとなっています。
ちなみに、作者のハイスコアは(Regulation ver 1.02時点ですが)150万点なので、作者のハイスコアにかなり近づいています。凄い。
二位や三位もスコア差がほとんどなく、今後も一位争いが白熱する事が予測されます。

今後もオンラインランキングの動向が楽しみです。


■アップデート及びバージョンアップについて

本作では前作に引き続き、オンラインアップデートに対応しています。
とはいえ、レンタルサーバーを変えたり、オンラインランキングの都合上、起動時に必ずアップデートを行うようにしたりと、細かな変更点があります。プレイヤー側からすると大した変更点ではありませんが、作者的には結構重要な変更だったりします。

さて、アップデートに関する話ですが、今作は前作とは違った方向でアップデートに苦労しました。
前作ではオンラインアップデート自体が初めての試みでしたので、アップデートに必要な作業(サーバーファイルの管理や更新対象のファイルの管理など)で苦労する事が多く、アップデート内容に関しては、リプレイ関係で何度かミスしてしまった事以外は、そこまで苦労する事はありませんでした。

……で、本作の何が苦労したのかと言いますと、オンラインランキング実装によるスコアバランスについてです。

(以下、若干の愚痴を含む、作者のバランス調整の苦悩)

本作はテストプレイヤーさんにお願いした事もあり、リリース時のRegulation ver1.00の時点でバランスはだいぶ取れていました。
若干、リカバリースタイルのスコアが伸びにくいかな、と感じる程度で、おおよそスコアは最大で80万点後半~90万点が狙えるバランスになっていました。
キャラクターとスタイルの両方の組み合わせを見た場合のスコアも大きな差はなく、リリースしてからはランキングを静観し、それに応じてスコア倍率を弄ればいいかなぁ、ぐらいの気持ちで見守っていました。

……ですが、その平穏はリリースしてから12日後に破られる事になりました。

ツイッター上にて、スコアの無限稼ぎの情報が載せられました。
しかも、画像付きで。

内容としては、ボス戦の安地(元々初心者向けの低難易度を意識して作っていたので、安地の存在自体は認識していた)で永遠とグレイズしてスコアを稼ぐ、というものでした。
およそ6時間放置でステージスコアをカンストさせて、本来では出し得ないスコアを出してしまいました。
プレイヤーさんの良心でスコアはランキングにアップロードされませんでしたが、それでも問題が残りました。

それは、安地の場所が映されたスクリーンショットです。

「無限稼ぎが可能」という情報だけならまだしも、よりにもよってそのやり方が載っているのですから、状況としては最悪です。
間違いなく、それを真似する人物が出てきます。そうなればランキングのバランスは崩壊してしまいます。
(作者は極度の人間不信なので、人の良心というものを信じていませんし、人は悪さをするものだと考えています。でなければ、チーターなんて出てきませんので。)

ですので、その情報を確認した直後、早急にアップデートを行い、無限稼ぎを防がなければなりませんでした。

結果、Regulation ver1.01で以下の修正を行う事になりました。

・タイムボーナスでクリアタイムがステージの基準時間を超えた場合、ボーナスがマイナスになるように仕様変更(従来は基準時間を超えても0で打ち止めとなり、スコアが減らなかった)。
・リプレイに保存されない時間(1ステージあたり約10分)を超えた場合、そのスコアは参考記録となり、ハイスコアに記録されず、アップロード出来ないように仕様変更。
・タイムボーナスの量を増加させ、グレイズによる稼ぎよりもタイムロスによるスコア低下を大きくした。

上記の変更で無限稼ぎが出来なくなり、スコアをアップロード出来ないようにしました。

……が、このアップデートで問題が一つ。

タイムボーナスの量を増加させたので、スコアが大幅にインフレしました。
具体的には、Regulation ver1.00時点でのトップスコアは91万点だったのに対し、現在のRegulation verだと146万点にまで増加しました。
また、作者がざっとテストプレイした結果、最高難易度でおよそ50万点のスコア増加が発生しました。

これにより、初期バージョンと最新バージョンとでスコアに大きな差が開くようになってしまいました。初期バージョンで遊んでいた皆様には、大変申し訳ありません。

そして何より厄介な事に、ただ単にスコアが増加しただけではない、という事です。

タイムボーナスを弄ったため、クリアタイムの差がスコアに顕著に現れるようになり、スタイルによるスコアバランスが崩壊しました。
端的に言うと、アサルトスタイルがほぼ一強状態になりました。

細かく解説すると、アップデートで早くクリアすればする程、スコアが伸びやすくなりました。
そのため、素早くクリアしやすいアサルトスタイルでは、スコアがより大きく伸びるようになりました。
一方、基本のショット性能が控えめで、クリアするのに時間が掛かりやすいリベンジスタイルでは、スコアの伸びが悪くなりました。
リカバリースタイルについては、クリアタイム自体はアサルトスタイルと大きな差はありませんが、Regulation ver1.00の頃からボムのスコア倍率の悪さで水を開けられている状態です。

そのため、アサルトスタイルがタイムボーナスの恩恵を最大限まで受け、アサルトスタイルの一強状態へと陥ってしまいました。

Regulation ver1.00の時点で各スタイルのクリアタイムの差は認識していましたが、それをスコア倍率やボムの回転率で補い、最終的なスコアとしては大きな差が出ないように調整していました。
ですが、タイムボーナスが激増したため、そのバランスが壊れてしまいました。

その後のアップデートでは、上記のアップデートで崩れてしまったスタイル間のスコアバランスの調整を行いました。

Regulation ver1.02ではリカバリースタイルのゲージMAX時のボムのスコア倍率の調整を行いました。
……が、本来この調整はRegulation ver1.00に対して行うべきものでしたので、バランス崩壊の根本的な解決には至りませんでした。ようやくここでベースとなる「Regulation ver1.00改」の状態になった感じです。
また、合わせてクリアボーナスと被弾/コンティニューペナルティの量を調整しました。こちらはボーナスのバランスを取る事が目的で、ボーナス自体は増加していますが、ミスによる減点も増えているので、スコアが伸びるかどうかはプレイヤー次第な形になりました。
(上記の理由から、ゴリ押しをするプレイヤーはスコアが低下するアップデートになりました。大変申し訳ありませんが、ミスを減らしてスコアを伸ばして頂ますよう、よろしくお願いします。)

そして、Regulation ver1.03で、本格的にスタイル間のバランスの調整を行いました。
合わせて、一部キャラクター性能の高いキャラは個別に調整を行いました。……あまりスコアは変わりませんでしたが。やっぱり性能の噛み合いが良すぎるのかなぁ……。

まず、リカバリースタイルはボムのスコア倍率を上げました。
元々、ボムの回転率が高いお陰でクリアタイムはアサルトスタイルと差はほとんどありませんでしたので、スコア差の要因である倍率を上げて対応しました。
これにより、(ボムを最大限回す事前提ですが)スコアはアサルトスタイルと変わらない程度まで伸ばせるようになりました。

続いて、リベンジスタイルはグレイズ時のゲージ回復量を上げました。
最初はこちらもリカバリースタイルと同様にスコア倍率を上げようかと思いましたが、元々の火力が非常に高いため、これ以上倍率を上げるとスコアが大幅にインフレしてしまうリスクがありました。
そこで、スタイル間にスコア差が生まれた元々の要因である「クリアタイム差によるクリアボーナス量の差」に注目し、グレイズ時の魔力ゲージ回復量を増加させました。これにより、ボムの回転率が上昇し、クリアタイムの短縮が見込めると判断したためです。
リカバリースタイルとは異なり、元々のスタイルの特性を強化させた形なので、個人的にはプレイしてて楽しくなったと感じます。グレイズによるゲージ回復量が従来の二倍に増えたので、終盤ステージの弾幕だと猛スピードでゲージを溜められます。
そのため、スタイルの特徴がより色濃くなり、今まで以上にピンチをチャンスに変えるスタイルになったと思います。

そして、上記の調整を終えた状態で何度もテストプレイしました。
具体的には、上振れが引ける事を祈りつつ、ミスによるマイナスを無くした状態で最終的なスコアが150万点程度になるように調整しました。
何度もプレイして、リプレイを取って、倍率を調整して、スコアを計算して……。そういった作業を繰り返して調整を行いました。

そういった経緯もあり、Regulation ver1.03でようやくバランスが取れたと思っています。
過去バージョンをプレイしたプレイヤーの皆様には大変申し訳ありませんが、このバージョンでようやく整ったバランスで楽しめて頂けるようになりました。

ただ、ランキング上位の方には毎週のようにアップデートをしたため、何度もハイスコア更新のためにプレイさせてしまいました。
本作を楽しんで頂けて感無量ですが、作者側がプレイヤーさんに負担を掛けさせる結果となってしまい、大変申し訳ありませんでした。

何はともあれ、ようやくスコアのバランスが取れましたので、この記事を読んでる方はもう一度プレイしてみて、ハイスコアを更新してみてはいかがでしょうか。
作者はランキングの更新を、いつでもお待ちしております。

また、上記のバランス調整以外にも、機能改善のアップデートも行って参ります。
プレイヤーさんから色々とアイデアやご意見を伺い、よりプレイしやすいゲームを目指して改善したいと思っています。気づいた事がありましたら、気軽に連絡して下さい。


■ウディタver3&PRO版について

ついに公開されたウディタのver3。本作ではver3のPRO版を使用しました。

ver3にした理由につきましては、やはり処理速度です。従来の2~4倍の処理速度は元々処理の重さが気になる弾幕STGにとって、非常に心強いです。
他にも、ピクチャ周りの強化など、見所が満載です。今まで作れなかったゲームや演出も作れるようになっているかもしれませんので、ウディタリアンの方は一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
導入も簡単で、過去バージョンのDataフォルダをそのままコピーすれば、初回起動時に変換処理(各種コマンドの最新化&UTF-8化)をしてくれるので、非常に楽でした。
もちろん、公式サイトの注意事項にはよく目を通して使って下さい。
ただし、ウディタのver3にはローカルマニュアルがありません(オンラインマニュアルへのリンクのみ)ので、オフライン環境で使用する際は注意して下さい。

PRO版の導入については少し悩みました。というのも、PRO版にするメリットがあまり無かったからです。
ネットワーク機能を無制限で使用可能になる点についても、元々オンラインアップデートとランキングシステムだけなので、そもそもネットワークを利用する頻度が少ないのであまりメリットに感じませんでした。
あれこれ悩んだ末、決め手になったのは再起動コマンドでした。オンラインアップデートをした際に再起動が必要になりますので、ぜひとも欲しい機能なのでPRO版の購入を決めました。
ちなみに、フォルダ作成機能も使用しています(リプレイ用のフォルダ作成のため)が、実は無料版でも裏技っぽく同様の事が出来たり……。

そんな訳で、本作は最高スペックのウディタで作成しました。
ぜひとも、本作でウディタの可能性を感じ取って頂けたらと思います。


■ウディフェス参加について

前作『魔法交騒譚~The Black Box~』をウディフェスに公開したのが2016年。
その続編である本作を再びウディフェスに公開出来た事を、大変嬉しく思います。

今年もウディフェスの開催、おめでとうございます。
第一回の頃から大好きなイベントですので、今年も開催されて嬉しいです。
また、本作や応援イラストを掲載させて頂き、ありがとうございます。

本作を公開する際は必ずウディフェスに公開したいと思っておりましたので、こうして無事公開して頂いて感謝しかありません。
運営の皆様、素晴らしいイベントをありがとうございます。
来年も、楽しみにしております。

今年も多数の作品が応募されており、改めてウディタ界隈の広さと熱意を感じます。
また、応援イラストからはそれぞれの作品への思いが伝わるようなイラストが多数掲載されており、こちらも改めて凄いなぁと感じます。
皆様も、ぜひ他の方の作品を手に取ってプレイしてみてはいかがでしょうか。

本作に応援イラストを頂きました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。作者は無事、心停止を起こすくらい喜びました。)


■最後に

魔法交騒譚~The Black Box~』を公開したのが2016年。
うぃっちーずりばーし!』で予告を出したのが2019年。

長かった。

気が付けば、企画を始めてから完成するのに7年も経ってしまいました。皆様には大変長らくお待たせしました。それでもアーマード・コアの新作より早く出せた。あっちは10年。
その間にもよくわからない一発ネタゲーストーリー主軸の一本道ノベルゲームを作ったりして、色々と寄り道をしながらの制作になってしまいました。なぜまっすぐ制作出来ないのか。
また、何度もメンタルがアポカリプスしたり、二次創作にうつつを抜かしたり、そもそも制作するのが辛くなったりと、どこぞのヘタレウディタリアンもドン引きしそうなくらい苦労しましたが、なんとかこうして完成し、公開まで至れました。

こうして無事に作品を公開出来たのも、ひとえに応援を頂いている皆様のお陰です。
日頃、ツイッターでいいねやRTをして頂いたり、リプライを送って頂いたり、一緒に遊んだり、通話したりして頂いた、皆様の支えがあってこそ、本作は完成しました。
重ね重ね、お礼を申し上げます。本当に、ありがとうございます。

また、本作を掲載して頂いたウディフェス運営の皆様にも、重ねてお礼を申し上げます。
来年も作品は出せなくとも、イラストなどでウディフェスを盛り上げられたらと思っています。

合わせて、本作でテストプレイをお願いして頂いたおぬはら晃様にも、この場をお借りしてお礼を申し上げます。
急なご依頼に快諾して頂いただけでなく、的確なアドバイスも頂きました。おぬはら晃様のお陰で、本作のゲームバランスが改善されました。本当に、ありがとうございます。

そして何より、本作をプレイして頂いた皆様に、最大限の感謝をお伝えします。
皆様が本作をプレイして、オンラインランキングに登録して、感想を書いて、ファンアートを描いて頂いたお陰で、本作が公開出来て本当に良かったと感じております。
プレイヤーの皆様が作者にとっての一番の励みです。本当に、ありがとうございます。

本作が皆様にとって、何か心に残るような作品となれる事を祈っています。
そして、本作の登場人物の誰かしらを好きになって頂けたら幸いです。

本作が、あなたの人生の一時を彩る作品となれますように。


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十日間の白雪姫の小説版を公開しました

拙作のノベルゲーム『十日間の白雪姫』の小説版をPixivで公開しました!

今回は小説版公開の報告と、小説版作成に当たって感じた事をざっくりと書こうと思います。


原作のノベルゲーム版のDLはこちらから。

小説版はこちらから。


※ネタバレが含まれていますので、未プレイの方は本作品をプレイしてから読むのを強く推奨します。






さて、今回小説版を作った理由なんですが、それは「作品の範囲を広げたい」と思ったためです。

現在、自分の活動としてはフリーゲームとイラストを行っており、その公開範囲としては公式サイトやツイッター、ウディフェスやふりーむ!などのフリーゲーム公開サイト、Pixivなどで公開しておりますが、今回はそこからもう一歩、新しい場所に手を出してみたいなと思いました。
ですが、いきなり新しいコンテンツで新作を作るとなると大変なので、既存の作品でうまく作れないかなぁと考えていました。
そこで思い付いたのが、『十日間の白雪姫』の小説版です。
元々ノベルゲームという事もあり、単純に小説形式に移植しやすそうだと思ったのと、単純に作品としてのポテンシャルが高い(当社比)ので、本作を小説形式で執筆しました。
(ちなみに小説版に関しては『魔法交騒譚~The Black Box~』も案としてありますが、原作とは異なる展開になるのと、作業量の問題からポイしています。)

そんな感じで小説版の作成を行ったのですが、その中でノベルゲームと小説との違いを多く感じたので、その事について備忘録も兼ねてまとめたいと思います。


1.文章だけで表現する難しさ

これ。小説版で大変だった事の9割がこれだと思います。
「ノベルゲームと小説なんだから大して変わらなくない?」みたいに思われるかもしれませんが、それは大きな間違いです。僕もそうだった()
ノベルゲームと小説とでどう違うかを簡潔に言うと、「ノベルゲームは小説と比べ、文章以外の情報がほぼ常に出されている」という事です。
具体的にはノベルゲームでは文章以外にも、立ち絵やイラスト、BGMやSE、シーンによってはエフェクトやアイキャッチが使われたりしますが、小説の場合だと挿絵が時々あるくらいで、ほとんど文章のみで構成されています。
これが表現として息苦しく感じまして。基本的にゲームで物語を表現してきた自分からすると表現の幅が狭く感じました。

例えば、学校の廊下で友人と挨拶して雑談するシーンがあったとします。
ゲームだと「背景に学校の廊下を映して」「朝の賑やかで楽しげなBGMを流して」「キャラクターを横からスライドインさせて」「キャラクターの立ち絵の表情を変えて台詞を表示する」といった流れで表現します。
これを小説風に表現すると、以下のようになります。

朝。学校の廊下には生徒たちが賑やかに教室へと向かって行っている。
朝早くから登校していたアクアは真っ赤な魔女服姿の親友を見つけると、すぐさま駆け寄る。
「おはよう、フレイミ!」
「おう! アクア!」
普段は遅刻ギリギリに登校してくるフレイミが、珍しく余裕を持って来た。
アクアは毎朝問いかけている質問を投げかける。
「宿題はちゃんとやってきたのでしょうね?」
「驚くなよ? 今日はちゃんと宿題をやってきたんだぜ!」
フレイミが自信満々に答える。気が強いので自信満々なのはいつものことなのだが、勉強に関して堂々としているのは学院に入学して以来だ。
「……本当?」
アクアの青い瞳が、余裕そうな表情のフレイミに疑いをたっぷりと含んで見つめる。
「ホントだって! ほら、ちゃんとノートに書いてあるって!」
フレイミがそそくさとノートを開いてみせると、そこには昨日の授業で先生から出されていた課題がしっかりと書かれており、身の潔白を証明していた。

いや、普通に面倒臭い。
書きながら改めて思いましたが、地の文を丁寧に書くのが凄く面倒臭い。日本語としておかしくならないように、いい感じの言葉を選んで表現するのが大変で、どうしても煩わしく感じてしまいます。
特に、キャラクターのビジュアル周りに関しては非常に面倒で、長過ぎないようにうまく調整しつつ、キャラクターの心情や雰囲気を表現しないといけないので、凄く頭を使います。
十日間の白雪姫ではユキのビジュアルは序盤に丁寧に描写したので、キャラクター全体としての描写はそこまで大変ではありませんでしたが、シーンによる表情の変化などはゲームでは立ち絵に任せっきりなので、そこを文章で表現するのに苦労しました。

ちなみに、先程の小説風文章をゲーム用の表示・処理を追記すると、以下のような感じになります。

朝。学校の廊下には生徒たちが賑やかに教室へと向かって行っている。 ←学校の廊下の背景を表示。朝の学校の明るいBGMを再生。賑やかな声のSE再生。
朝早くから登校していたアクアは真っ赤な魔女服姿の親友を見つけると、すぐさま駆け寄る。 ←アクアとフレイミの立ち絵をスライドインでそれぞれ表示。
「おはよう、フレイミ!」 ←文章ウィンドウの上部に「アクア」と表示される。立ち絵の表情が笑顔になり、立ち絵が上下にぴょこんと動く。
「おう! アクア!」 ←文章ウィンドウの上部に「フレイミ」と表示される。立ち絵の表情が笑顔になり、立ち絵が上下にぴょこんと動く。
普段は遅刻ギリギリに登校してくるフレイミが、珍しく余裕を持って来た。 ←ここは地の文のママ。台詞にするなら、「今日は珍しく早いわね」など。
アクアは毎朝問いかけている質問を投げかける。 ←ここも地の文のママorカット。
「宿題はちゃんとやってきたのでしょうね?」 ←文章ウィンドウの上部に「アクア」と表示される。
「驚くなよ? 今日はちゃんと宿題をやってきたんだぜ!」 ←文章ウィンドウの上部に「フレイミ」と表示される。立ち絵の表情が自信満々の表情になる。
フレイミが自信満々に答える。気が強いので自信満々なのはいつものことなのだが、勉強に関して堂々としているのは学院に入学して以来だ。 ←ここは地の文のママorカット。
「……本当?」 ←文章ウィンドウの上部に「アクア」と表示される。立ち絵の表情が疑うような表情になる。
アクアの青い瞳が、余裕そうな表情のフレイミに疑いをたっぷりと含んで見つめる。 ←ここはカット。立ち絵で表現できているため。
「ホントだって! ほら、ちゃんとノートに書いてあるって!」 ←文章ウィンドウの上部に「フレイミ」と表示される。立ち絵の表情が少し焦った表情になる。
フレイミがそそくさとノートを開いてみせると、そこには昨日の授業で先生から出されていた課題がしっかりと書かれており、身の潔白を証明していた。 ←ノートの画像を表示orノートを開くSEを再生。

こんな感じで、ゲームでの表現と小説での表現では同じ文章でも全く表現方法が異なるので、たとえノベルゲームのテキストをそのままコピーしただけでは小説の形にはならないのです。

また、立ち絵や背景、BGMやSEの存在も非常に大きいです。
例えば今作だと、背景はそのシーンはどの場所の出来事なのか、雪解けの時期が近付いて来た事の表現などがされてます。
BGMも、その時の雰囲気や空気感を出すのに重要です。二人が楽しそうにしているのか、気まずそうなのかも、ほとんどがBGMによって担われています。
それに加えて、タイトル画面の存在も大きいです。小説では表紙に当たるのですが、ゲームのタイトル画面では様々なイラストや演出を活用できるので、物語の世界に入る導線としては非常に重要です。ぶっちゃけ、今作のタイトル画面はBGMの存在が偉大過ぎるのですが。

他にも、細かいシーンで言うと、終盤でのユキの表情や心情の変化などを文に置き換えるのが大変でした。終盤は文章構成が結構シビアなので、なかなか修正しづらかったです。
あとは、ラストシーンの(ネタバレ防止反転)ユキが春の訪れと共に段々と身体が透けていって消えてしまうシーンは、ゲームでの処理が無いとそもそも表現が非常に難しいなと思いました。

あと、やっぱりシーンの描写が結構大変で、どうしても文章だけの表現では限界を感じる場面がいくつかあったので、小説版の特典も兼ねて一枚絵をいくつか描き下ろしました。
こちらに関してはファンサービスの面もありますので、ノベルゲーム版が気に入られた方はぜひ見てみて下さい。
決して自分の文章力が無いからイラストに逃げた訳ではない。断じてそうではない。多分。きっと。

そんな感じで、ゲーム用の文章を小説用の文章に直すのに苦労しました。
いやぁ、小説を書ける人は凄いなぁ……と、つくづく思いました。

ちなみに上の例文を書く時、どうまとめようか思い付かずにダラダラと書き続けてしまいました。


2.読者の読むペースをコントロールできない

地味に痛感したのがこれ。具体的には、文章の表示速度やシーン切り替えの待ち時間、一枚絵や立ち絵の表示時の待ち時間などです。
文章の表示速度なんかはよく嫌われがちで、人によってはボイスの再生を待たずに読み進めちゃう人もいたりしますが、結構重要な要素なんだなって後から気付きました。
というのも、文章を読む速度……厳密には文章を読む中で生じる“間”のコントロールのしやすさが、ゲームだと段違いです。
例えば先程の例文ですと、「朝の廊下の賑やかな景色」や「アクアがフレイミを見つけて近づく」、「自信満々に宿題をやってきたフレイミに対して疑っているアクア」などでウェイトを置かせる事で、プレイヤーがその情景や状態を認識させたり、キャラクター同士のやり取りが活き活きとします。

あと、結構重要だなぁって思ったのが、ゲームだと“一度に表示させられる文章量が調整できる”んですよね。
これがとっても大きくて、要は一度の開示する情報量を調整できるのと、一度の表示に表現したい内容を揃えられるんですよね。
小説だと、うまく段落で分けたりページを変えたり等は出来ますが、読む人によっては流して読んでしまう事もあるので、ゲームのように読むペースやテンポをコントロール出来ないんですよね。

逆に言うと、小説は読者のペースで読めるので、そういう意味では読者にとっては気楽に読める形式とも言えます。
区切りの場所も文章の方がわかりやすいですし、ユーザー視点では小説の方がフレンドリーかもしれません。

要するに、作者が想定した理想の読書ペースで、読者に読んでもらえるかどうか、という話です。
そう考えると、ゲームって理想の表現を徹底的に出来る仕組みなんだなぁと思いました。


まとめ

今回は小説版の執筆に当たって、ゲームと小説との表現の違いを味わいました。

小説は文章のみなのでスクリプトやイラストが無くても表現出来るが、代わりに文章であらゆるものを表現する文章力が求められる。
ゲームは様々な要素が組み合わさっているので多様で複雑な表現が出来るが、代わりに様々な素材を扱う能力や作成するスキルなどが求められる。

それぞれの良さや難しい点などを学べる、とても良い機会でした。
今後は、こうした表現の違いも考慮して制作が出来たらなぁと思います。

また、元々物語を描くのが好きなタイプの創作者なので、文章で表現するのも自分には悪くないかなぁと感じました。
メインの創作はゲームなのは変わりはありませんが、作品の補足や、追加コンテンツとして小説はアリかなぁと思ってます。
具体的なビジョンはありませんが、今後の創作活動で活かしていきたいと思います。


それでは、またどこかで。


十日間の白雪姫 あとがき

本作もあとがきを書く事にしました。
今回はいつもよりも短期間な制作でしたので文量は少ないですが、それでも自分の中では大切な作品なので、自身の制作観を見直すのも兼ねて、あとがきとさせて頂きます。

ただし、本作品はノベルゲームという形式上、このあとがきには盛大なネタバレが記載されておりますので、未プレイの方は注意して下さい。

ゲームのDLはこちらから。

※相変わらず長いです。
※盛大なネタバレがあります。未プレイの方は本作品をプレイしてから読むのを強く推奨します。





















■本作を作る事になったきっかけ
まず初めに、本作を作るきっかけについて書きます。

本作を作るきっかけとなったのは、とあるウディタリアンAさん(仮称)との作業通話でした。
その日、たまたま一緒に作業通話する事になったAさんは偶然、ウディフェス用の作品を作っており、その作業を眺めていました。
自分は特に制作とは関係無いイラストを描いていたのですが、Aさんから「ジャッカルさんはウディフェス用に何か作らないんですか?(意訳)」と言われました。その時、自分は「ネタは無い訳じゃないんだけどね~(うろ覚え)」と答えました。
実際、ちょっとしたネタがあるにはあったのですが、特にそれで何かを作ろうとは思ってはいませんでした。

……けれど、ここしばらくはスランプ気味という事もあったので、ここらで一つ短編でもいいから作ってみようかなと思いました。過去に、2018年のウディフェス外伝十分ゲーフェスに、ものの一ヶ月で作成したゲーム(ウディれ!ジャッキーちゃん)で参加してたりしたので、ちゃんと計画して準備すれば出来るんじゃないかなぁとぼんやりと考えてました。

……せっかくの機会ですし、自分の足跡を残すという意味合いを込めて、本作を作る事にしました。


■企画
本作品のテーマとして、「雪の少女と一冬を過ごす、切なくも暖かな物語」を掲げました。
また、十日間という日程設定は、今年のウディフェスのテーマである「+」から決めました。

それに見合うゲームジャンルを考え、ADVとノベルを挙げました。
初めの頃はADV形式で各日に行動を選んで、それに応じて好感度が上昇、それを繰り返して指輪を渡せたらエンディング、というスタイルを想定していました。また、一冬は十日で終わり、その時点で一時的にお別れになりますが、翌年再び出会って、一冬を繰り返して……、といった内容を考えていました。

……が、ここまで考えた時点でシステム設計と素材作成等の時間をざっくりと計算したら、確実に締め切りまでに間に合わない事が判明しました。
そのため、物語は一冬で終わり、選択肢による分岐の無い一本道のノベルゲームになりました。納期のデーモンには勝てなかったよ……。


■キャラクターデザイン
そんな感じで企画が出来上がったので、次はキャラデザ。
今作は早期にシステムはウディタ公式ページのコモンイベント集にある物を使用すると決めたので、システム構築よりもキャラデザを優先しました。何より、物語が最重要なジャンルですので、キャラクターは今まで以上に丁寧に作る必要がありました。

最初にデザインしたのはユキ。……そもそもユキしかビジュアルのあるキャラはいないけど()
ユキは文字通り「雪の少女」ですので、雪らしく白や水色といった寒色系の色を中心にして、儚げな感じになるようにデザインしました。
色白の肌、銀色の髪、雪の結晶のように青い瞳、華奢な身体つき……などなど。ワンピース姿なのは、雪の積もる真冬でも薄着姿で問題ない、人とは違う感じを出すためにワンピース一枚の姿にしました。また、大きなリボンはユキの子供っぽさを出すため、リボンに付いた宝石は雪の結晶をモチーフに六角形にデザインしました。
……ちなみにこの時点で企画を初めた初日だったりします()

そして名前についてはジャッカル作品のヒロイン恒例、そのままです。ジャッカル作品のヒロイン達はわかりやすさ重視ですので。
そして肝心な性格等についてなのですが……実はキャラクターデザイン当初はほとんど考えておらず、テキストを書きながらイメージを固めていった感じになります。
本当ならば、「魔法交騒譚」や「うぃっちーずりばーし!」のように、事前にキャラの設定等を決めておいて、自分の中でキャラクターを動かしたり会話させたりしてキャラクターの内面を固めていくのですが、今回は納期のデーモンの存在により、テキストを書きながらになりました。
ただ、それでも早期にキャラクターの内面を決める事が出来ました。人見知りで寂しがりや、けれども子供のような面もあり、相手の優しさを汲み取れる心を持っている。そして最後は自分の運命を受け入れられる。
見た目は儚い少女ですが、その中には確かな強さがある。そんな少女になりました。

次にデザイン(?)したのはカガリ。……ビジュアルは無いけど()
カガリはこの手のゲームでよくある男性主人公を想定していましたが、当初よりも違う形になったなぁと思っています。
ひとまず優男という設定だけでしたが、“ぬくもり”というテーマからユキと対比となる「炎」をモチーフにしていきました。
そこから暖かさを配る薪割りの仕事、そして相手を思いやり、優しく包み込むような人柄になりました。
名前の由来は「篝火」から。決して某高難易度アクションRPGは関係無い。あと、「カガリ」の名前は某ロボットアニメの影響で女性キャラの名前に思えてしまう。
内面についてはユキ同様、テキストを書きながら組み立てていきました。納期のデーモンが(ry
ビジュアルが無いので大丈夫かなぁと思いましたが、初日の出だしのテキストを書いた時点で結構イメージが固まっていきました。自然に対する憧憬と、優しさ。それが、ユキを受け入れられた彼の強さ、そして暖かさなのでしょう。


■テキスト作成
ユキのビジュアルが決まった辺りからテキストの作成を開始。
(キャラクターの内面については上述の通り、テキストを書きながら考えました。)

こちらは当初の予定通り十日間分作成しました。
……ただ、地の文を交えたノベル形式の文章を書くのは(過去にSSらしいものは書いたことがあるものの)今回が初めてなので、文章のセンスゼロの状態で書く事に。
セリフ文ならまだしも、特に地の文は経験値ゼロなので、完全にジャッカルの好み全開の文章になりました。ちょっと詩的な表現が多いのは、そのためです。
また、全体的に文章がまどろっこしかったり、テンポがあまり良くないのも、自分の文章の癖です。こちらは「魔法交騒譚」でもなんとなくわかるかと思います。
ただ、自分の作品は多少会話のテンポが悪くなっても、キャラクター同士のやり取りをじっくり、というかねっとりと描いて、それぞれの関係性や人間らしさを表現したいなと思っています。
ですので、十日間という短い日にちでありながらも、それなりの文量になりました。自分で声を出しながらプレイして50分程の内容になりました。
一気読み出来る文量ではありますが、セーブ機能もありますので、無理せず読みたいペースで読んで頂けると幸いです。

ストーリーについては「雪の少女との十日間を過ごして、心の中に生まれた“ぬくもり”を感じ取り、お別れする」というおおまかな流れから作成しました。
雪が降ると共にユキと出会い、互いの事を少しずつ知り、そして惹かれ合い、別れる運命と向き合い、最後は指輪と共に愛を伝え合い、そして優しく別れる。
初めは細かな会話内容やプロットは考えておらず、自分の描きたいシーンをリスト化して、それを書いていきました。
……とはいっても、最初の5日はほとんどノープランで書いていました()
というのも、それまではキャラの設定も細かくは固まっておらず、書きながらキャラクターの設定を考えて、そして描きたいシーンを考えていました。
そのため、序盤は初々しい感じがありますが、後半からは物語のテンポが良くなったような気がします。
例えば、「ユキは熱が苦手」という設定も二日目のテキストを書いている段階で思い付いて、それを元にカガリがユキの腕を掴んで助けるシーンや、抱きしめるシーンが思い付いて、それを後半に詰めていきました。

そんな訳で結構行き当りばったりなストーリーではありますが、個人的には上手くまとめられたんじゃないかなぁと思っています。普段、放し飼い同然の制御不能なキャラ達をまとめてるからだろうか……。

ちなみにですが、「冬が終わってもユキとは別れず、二人はずっと一緒に幸せに過ごす」というエンドは全く考えていません。自然の摂理には、逆らえないのです……。

テキストは一月末にはベースが完成しました。当初の計画では、一月中にはテキストを完成させる予定でしたので、順調に作業が進んでいました。

ちなみに文字数を数えてみた所、総文字数は約23,000字でした。
……よくもまぁ、素人がここまで書いたものだ()


■立ち絵作成
続いて立ち絵の作成。今作ではビジュアルのあるキャラがユキしかいなかったので、非常に気楽でした。
立ち絵でもユキの心情の変化を出したかったので、ポーズは2種類、差分は合計で17枚作成しました。
一見、多いように見えるかもしれませんが、同一キャラの表情差分であり、過去にも何度も表情差分付きの立ち絵を作成していますので要領よく作業が進み、こちらは土日の二日程度で完成しました。


■コモンイベントの導入
今作はノベルゲームに決めた段階で、システムはコモンイベントをお借りしようと思ってました。納期のデーモン的にも、それが一番短時間で済ませられるし、安牌かなぁと思ってました。
……その考えはすぐに打ち砕かれましたが()

ジャッカルを待ち受けていたのは、以下の試練でした。
・サンプルゲームがDL出来ない(アップローダーのサービス終了のため)
・コモンイベントにコメント文が書いてない。
・コモンセルフ変数に名前が付いてない。
・処理が整理されておらず、バグが放置されている。
・ウディタのDBの強みを全く活かせておらず、メンテナンス性が悪い。

……と、とてもじゃありませんが扱いやすいとはかけ離れた物でした。
コモンを借りている身なのであまり文句は言えない立場ですが、それにしても改造、修正がしにくい構造とバグは何とかならなかったのかと……。

そんな感じで、コモンイベントの改造とバグ修正に時間を取られ、最終的には公開の数日前まで修正をするハメになりました。ゲームファイル出力後にバグが出るとか極悪過ぎる……。
今作ほど、F7のピクチャ情報表示とデバッグ文、コモンイベントの検索機能を使った事はありませんでした……。
(F7のピクチャ情報表示はピクチャの表示&移動したコマンド行数が表示されるので便利です。)
ウディタを起動していた時間のほとんどが、この作業だと思われます。


■背景画像作成
続いて背景素材なのですが、本作を作るにあたっての最大の懸念事項でした。
企画を立てた段階で素材を探し始めたのですが、困った事にちょうどいい素材、すなわち「雪」に関する背景素材がほとんどありませんでした。
雪の街、雪の山道、大樹の雪原。この3つが最低でも欲しかったのですが、探しても見つからないという状況に。
流石に背景無しはマズイですし、何とかしないとと思い詰めた結果……、自分で背景素材を改変して雪の背景を作成する事になりました。
これでも一応は絵描きの端くれ、背景もいくばしか練習した事があるので何とかなるだろう。そう、思ってました……。

しかし、そんなジャッカルを待っていたのは、人間性ロスト不可避の超絶地味作業でした。
具体的には、白で塗ったくった上で、木の葉を全て消すという作業です。
雪で白く塗るのはベタ塗りと陰影付与で何とかなりますが、問題は「木の葉を全て消す」作業。
山道の背景では無限に広がる葉っぱを全て手作業で背景色で上塗りして消していきました。
多分、この作業だけで丸一週間は溶けてなくなりました。作業中は心が折れソウルでした。

とはいえ、手作業で背景を改変したお陰で、雪解けの風景差分も作れたのはメリットでした。そのため、終盤での背景の変化がより印象的になったと思います。

でも、これだけは言わせて下さい。
二度とやらない。


■音楽素材
相変わらずよく迷う事に定評のある音楽素材関係。
今回はSEの数は少なめに、BGMは盛りだくさんになりました。

SEの方は最初は特に入れる予定はありませんでしたが、メリハリを付けたり、シーンのイメージが湧きやすくなるように、ワンポイントくらいの感じで入れました。
テキストやイラストだけでなく、サウンドでも楽しめるのがノベルゲームの利点ですからね。

BGMの方は結構苦戦しました。タイトル曲とラストシーンの曲は非常にすんなり決まりましたが、他のシーンでの曲選びは難航しました。
作風を統一させるために、BGMは全て同じ素材屋さんの曲を使って、かつピアノ曲を中心に構成させましたが、なかなかシーンに合う曲を探すのが大変で……。
結局、BGMの数が膨大になり、最終的に19曲も使用する事になりました。プレイ時間1時間未満のゲームでこれだけ大量のBGMを使用するのは、多分僕くらいでしょう()
さらに言うと、その19曲の内、ピアノ曲が18曲というトンデモ構成になっております。一つの素材屋さんの曲で一つのジャンルの曲をこれだけ多く使ったのは、後にも先にも自分だけかもしれません()
けれど、どのBGMもしっかりとシーンに合うように選びましたのでご安心下さい。

……ぶっちゃけ、素材の曲名で選んだものも多いのですが()
例えば、九日目でユキを抱き締めるシーンの曲名は「想いを抱いて」、十日目の朝の曲名は「雪どけ」、そしてタイトル曲は「白い静寂」となっております。
なんかもう、本作に使うしかないと思えるような曲名ですね。

ちなみにBGM素材をお借りしたのは、自作品では定番となっている音楽の卵様。
音楽の卵様のBGM、特にピアノ曲は非常に素晴らしくオススメです。ピアノの美しい旋律の中に優しさや暖かさが秘められている、素敵な曲がたくさんあります。
そんな素敵な曲のメロディが、本作のテーマと見事にマッチしていると感じたので、本作ではたくさん使わせて頂きました。


■一枚絵
実は、これまでの作業が終わった時点では一枚絵は特に描こうとは思っていませんでした。
この時点でウディフェスが開幕。テストプレイが終わればすぐにでも出せる状況でした。
けれど、テキストと立ち絵(と背景)のみの現状で本当にいいのだろうか? そう思い始めました。
一般的なノベルゲームでしたら、ここ一番のシーンで一枚絵を出して盛り上げるのですが、自分の作品の現状だと、立ち絵と文章で淡々と進んでいく状態でした。
ですので、クオリティアップを図るために一枚絵を描く事にしました。

ですが、上で何度も出てきているように納期のデーモンの存在がありますので、出来るだけ枚数は少なくして、一番大切なシーンのみを選んで描きました。
結果、初めて出会うシーンと、ラストシーンの二つになりました。
イラスト枚数は2枚、差分は6種類のみという少数精鋭のスタイルになりました。
けれど、シーン選定は間違いはなく、そしてイラストも十二分の出来になったので、ゲームに入れ込んで、一旦の完成となりました。


■テストプレイ
実際にはテキストや立ち絵等の素材が出来たあたりでインポートしながらテストしたので、各作業の合間合間に行ってました。

ただ、上述の通り借りたコモンイベントが結構悲惨な状態だったので、ゲームに実装と同時にバグ修正や改造を繰り返していました。

そして迎えた最終テストプレイ。
当然のようにバグが出て、何度も修正作業を行いました()
いや、だって誰もロード処理がバグってたりとか、必要性がまるで感じられない拡張子読み込みコモンのせいで暗号化するとバグったりとか、そんなの思いもしないでしょう……。お陰で、ゲームデータ作成してからもバグ修正を続けていました。

そんな感じで、最終的にバグ修正とテストプレイが完了した時には既に応募期間の最終週に食い込んでしまいました。

だが俺は納期のデーモンに勝った。VICTORY ACHIEVED


■タイトルについて
元々、本作品を企画した時点でのプロジェクト名が「白雪姫」だったので、それに則ってタイトルを付けました。「十日間の」と付ける事で、物語の期間のイメージが掴みやすくなると思うので、そのようにしました。
……実際には、本当に十日間しかいられない白雪姫なのですが。
そういう意味では、本作品のストーリーを端的に表しているとも言えますね。

また、タイトル画面にはちょっとした仕掛けを入れました。クリア前後でタイトル画面が変わりますので、是非見てみて下さい。


■本作品の宣伝等について
本作品は従来の作品とは異なり、制作の進捗をまるで出していませんでした。
そのため、周りからはサイレント制作をしていたなど言われました。別にええやろ!
とはいえ、一応これには理由があります。

本作品のテーマは「暖かな“ぬくもり”」です。
決して「可愛い女の子との一冬」とか「少女とイチャイチャするゲーム」ではありません。

自分はこれまで、自作品の進捗や、関連するイラストやツイートを流してプロモーションもどきを行ってました。
けれど、それはあくまでも作品を知ってもらう方法の一つであるのにも関わらず、そのプロモーションでの活動やビジュアルばかりが優先されてしまい、作品内のメッセージやテーマが軽視されてしまっている。
そう感じていました。
もちろん、キャラクター達を好きになってもらうのは大事ですし嬉しいです。
けれど、それは本当に「作品を楽しんでもらっている」のでしょうか?
あくまで上辺だけの彼女達を好まれても、本当にそれは愛されていると言えるのでしょうか?

ゲームというのは、プレイヤーがプレイして初めてその深層に辿り着いて、神秘に触れるかのように、そしてそれを感じ取る事で、ようやくその作品を愛せるものだと思っています。
ですから、上っ面だけを掬って取ったような好意は、本当の意味で作品への好意ではないと思っています。

ですので、本作品はそのテーマをしっかりとプレイヤーに伝わるように、プロモーションは最低限度にして公開する事にしました。
その分、手に取ってくれるような人は減るんじゃないの? と思われるかもしれませんが、そもそも本作品は今年のウディフェス作品内でもやや手に取られにくいジャンルかつ、ストーリーも王道な恋愛モノとは異なっているので、そもそも最初から手に取ろうと思わない人には合わない可能性が高いと思い、プロモーションは最低限度にしました。

あと、ゲーム体験的な話を加えるならば、プレイヤーはカガリと同じタイミングでユキと出会って欲しい、という意味合いもあります。早い話が、プレイヤーがカガリと同じ気持ちになって欲しいという事です。
ユキについての事は、カガリと一緒にゆっくりと知っていって欲しいのです。

ですので、本作品は偶然知った人が偶然手に取ってもらえるくらいの宣伝にしました。
ぬくもりは見せびらかすものではなく、内に秘められるものなのです。


■参考にした作品とか
本作を作るにあたって、参考にした作品を挙げたいと思います。

・好きなアーティストの音楽
正直に懺悔します。この曲の影響を受けまくっております。というか本作のネタである「雪の少女との一冬」はこの曲から来てたりします。申し訳ありません。
初めてこの曲を聴いた時、泣きそうになる程に感動しました。それくらい、自分の心に強く響きました。
泣きたくなる程哀しい、けれど、胸の中に優しさが残る。そんな素敵な曲でした。
その感動を形として残しておきたい。そんな思いが本作を作るモチベーションとなりました。
ただ、この時点ではまだ、自分が何に感動して、何が素晴らしかったのかは言語化出来ず、自分の心の中では曖昧な形でした。
それを言葉にして形にしてくれたのが、もう一つの作品です。

・とあるフリーゲーム
こちらは年明け頃にプレイしたフリーゲームです。
雪が降り続ける道を一人のマッチ売り風の少女が歩いていく、ノンマップRPGです。
この作品とは偶然と言うべきか……必然と言うべきか……。ある意味、運命的な出会いでした。
この作品からは作品本体というよりも、クリア後に出力される「あとがき」に影響を受けました。
あとがきには作者さんがその作品を作った経緯について書かれおり、「冬の寒さから憧憬、正確には寒さそのものに対してではなく寒さの中の暖かさを引き起こされ、作品を作りました(意訳)」と書かれてました。
自分はそこから、自分の作品制作において大切なものを、今一度思い起こされました。
自分はどんなゲームを作りたいのか。どんな思いをゲームに込めてきたか。
それは、人の心の中にある“優しいぬくもり”だと。
どんなに暗い中でも、どんなにつらい時でも、心の支えとなる、暖かな光。
それが、自分の作品の中で、大切にしてきたものです。
サリアも。アッシュも。リーシアも。セイルも。アクアも。フレイミも。クロアも。エレスも。リーファも。ラッカも。
心の中にある“ぬくもり”を大事にして。時には分け与えて。そして、みんなを暖かく包み込んで。
そんな作品を、自分は作ってきたのだと。改めて思い起こす事が出来ました。
これが、自分の作品制作の一つの到達点なのかもしれません。
そういった意味では、このフリーゲームに一番影響を受けたとも言えるかもしれません。素敵な作品を、ありがとうございました。
ちなみに自分は諸般の事情により、そのゲームの作者様には頭が上がりません。


■ウディフェス参加について
まずはウディフェス第十回開催おめでとうございます。相変わらず大好きなイベントですので、十回という節目を迎えられた事が素直に嬉しいです。
(今年のテーマの「+」は「第“十”回」から来ているのですかね?)

そして本イベントへの参加は冒頭に書いた通り、Aさんに声を掛けて頂いたのをきっかけに参加を決めました。
今年もウディフェスに関われて嬉しく思います。

今年も力作が揃っており、ついつい目移りしてしまいます。
皆様も是非、素敵な作品達を楽しんで頂けたらと思います。


■最後に
本作品はジャッカルとしても随分と風変わりな作品でありながらも、自分にとって大切な物を形として残せた作品だと思っています。
普段はゲーム性を意識した作りをするように心掛けていますが、本作はゲーム性を重視せず、ストーリーを主軸にした作品に仕上がりました。
その代わり、自分が作品に込めてきた思いや願いを詰めた、とても優しく暖かな作品になったと自負しております。

他の作品を花火と例えるなら、本作品はロウソクの火でしょうか。
周りと比べて華やかさや大きさは見劣りしてしまいますが、けれど、暗い中でも確かに灯り、そして優しく心を包み込み、そっと心の中に残る。そんな作品になれたと思います。
そして心の中に新しく灯った暖かな“ぬくもり”が、また新たな形で他の人に分け与えられていく。
そうして少しずつ、世界が暖かくなっていく。
そんな風になれたらなと、思っています。

自分の中で生まれたぬくもりが、誰かのぬくもりになりますように。
そしてそのぬくもりが、また誰かのぬくもりとなりますように。


うぃっちーずりばーし! あとがき

はい。そんな訳で今回もあとがきを書かせて頂きました。
今作はストーリーも無いので、ネタバレ等を気にせずにお読み頂けます。
もし、まだ「うぃっちーずりばーし!」をプレイ頂けてないのでしたら、こちらからDLしてプレイして頂けると幸いです。
それでは、しばしお付き合いを……。



さて、振り返りという事で今回もゲームを作った経緯から書きましょう。

このゲームのネタの始まりとしましては、「今まで作ったジャンルとは違うものが作りたい」というものが発端でした。今までRPG、ARPG、ACT、STGの制作を行いましたので(「ウディれ!ジャッキーちゃん」は分類不能扱い)、それ以外のジャンルを作ろうと思い立ちました。
そして、「ウディタでAI的な物を作ってみたい!」というあまりにも無謀な思いがありましたので、パズル系のゲームを作ろうという方向になりました。
色々考えた結果、既にロジックが確立されているオセロゲームをベースに作ろうという形になり、制作を開始しました。
……が、やはりそれだけでは面白みがないなぁと感じました。AIの実装はともかく、「ウディタでオセロゲーム」は自分の記憶の限りでは、既に5年位前に公式ページで公開されていたと記憶しています。ですので、ただオセロゲームを作るのはつまらないなぁと思ったので、何かアレンジ的な物を入れたいなぁと思いました。
そして考えた結果……娘達を入れる事になりました()
という事でお馴染みの娘達をプレイヤーキャラとして使う方向に決まりました。
が、ここで一つ問題が発生しました。そもそもオセロゲームにキャラ要素を入れても、“何の意味もない”のです。「ぷよぷよ」みたいに連鎖での技やカットインがあるにしても、やはりキャラクターを入れる事の意味合いが薄いなぁと思い、何かキャラクター固有の物を持たせる事にしました。出来れば、オセロのルールに少しアレンジを加えて……。
その結果生まれたのが「スペル」が使える「ウィッチーズリバーシ」モードです。これによりキャラクター毎による特徴付けが出来るのに加えて、普通のオセロとは違った楽しみが出来ると考えました。
そしていざ試しにやってみると……。
とんだイカサマじゃねぇか。
……という訳で使用回数に制限を設けました。最初は「3回くらい使っても大丈夫でしょ~」とか思っていましたが論外です。1回使えば十分すぎるくらい強力でとてつもないパワーを持っていました。また、キャラによっては初手ぶっぱが無慈悲に強いので、その対策として「ゲームが半分進んだら(15ターン経ったら)使用可能にする」という仕様にしました。
その上で何度かテストプレイして、ちょうどよくオセロゲームの基礎を崩さずに楽しめるバランスになりました。スペルは強力だけど、オセロの定石を押さえないと勝てない。そんなバランスになれたので満足です。

本作の肝とも言えるAIについて。
オセロAIのアルゴリズムについては全くの無知だったので、グーグル先生に教えてもらいながら作成しました。既にアルゴリズムが確立されているだけあって、結構色々な情報が出てきました。
その中で今回実装したのは、「マスの重み付け」と「n手先の盤面の推測」です。
まず、「マスの重み付け」は単純にマス一つ一つに点数を割り振ってあげて、高得点のマスを取れるように判定する、というものです。これは人の思考で言うところの「角を優先的に取る」というものです。こちらは単純に点数計算して一番点数の高い所を取る、というシンプルなものですのですぐに実装できました。
問題は「n手先の盤面の推測」です。要するに「ここに自分の石を置いたら次の盤面はこうなる」というのをn回繰り返す、のですが、これを実現するのに苦労しました。
それもそのハズ。システムに詳しい方ならご存知ですが、ウディタは再帰処理がとてつもなく苦手です。「再帰処理」というのは、あるコードが“そのコード自身”を呼び出す事で繰り返し処理を行わせる、というものです。実用的な例を挙げるなら、フォルダの中身を調べる時、「あるフォルダの中身を検索する→フォルダがあるならそのフォルダに入る→そのフォルダの中身を検索する→フォルダがあるなら……」といったように、「深く潜っていく処理」に使われます。オセロの「次の手を繰り返し読む」という考え方にはピッタリな処理です。
ですが、先程も述べた通り、ウディタは再帰処理を行うのに不向きです。理由としましては、「深さ」や「その深さで探索した情報」を記録するのが非常に苦手だからです。
今回自分は変数と可変DBで情報の管理を行ったのですが……、探索した情報と記録した情報を一致させるのが非常に苦労しました。ですので、結構無理やりな感じで実装するハメに……。
さらに、追加のオリジナル要素として「スペル」を入れてしまったせいで、なおさら大変な事に……。本当なら、スペルに応じた立ち回りや、有効的なスペルの使い方をするよう個別にアルゴリズム設定する必要があるのですが、そこまでの時間も技量もありませんでした……(ついでに言うと、バグの温床でもあった)。
個人的な感想としましては……。
二度とやらない。
ちなみにCPUレベルに応じてAIは以下のような内容になっております。ご参考までに。
Lv1:完全ランダム設置(スペルもランダム)
Lv2:一番ひっくり返せる場所に設置(一部を除いてスペルも同様)
Lv3:一手先(相手の返し手)を予測して最大得点(マスの重み情報アリ)
Lv4:三手先を予測して最大得点(総当たり、マスの重み情報アリ)
Lv5:五手先を予測して最大得点(α-β法、マスの重み情報アリ)
……α-β法は正直ちゃんと実装出来た自信がありません()。

続いて、インターフェースと操作関連について。
今回はオセロゲームという事もあって、マウス操作にしました。やはり、こちらの方が直感的に操作しやすく、プレイしやすいようです。
ただ、実は今作が初めてのマウス操作ゲームなので、操作方法に関するシステムの土台の作成から行う事になりました。
とはいえ、ウディタは元からマウス操作を作りやすくするよう、マウスカーソルとピクチャの重なっているかどうかの判定を取得出来るので、実装自体はすんなり出来ました。やはりウディタは神ツール。どちらかと言うと、システムの構築よりも、判定の順序を設定するのが大変だったり……。
とはいえ、マウス操作ゲームの土台が出来たので、今後のゲーム制作に使える財産が増えたと思っております。今後、マウス操作ゲームを作る際は活用していきたいですね。
ユーザーインターフェースの方ですが、こちらは結構苦労しました。マウス操作ゲームが初めてなので、どのようなレイアウトや操作性にすれば良いのか、経験がないので最初はかなり戸惑いました。なので、最初は参考となりそうな物を探しました。
そして参考にしたのは、スマホゲームでした。スマホゲームはタッチ操作なのでマウス操作と感覚的に近く、レイアウトやデザインも凝っているのが多いので、そちらを参考にしながら作りました。
……なのですが、ボタンや題字の画像素材を作る量が今まで以上に多く、かなり大変でした。また、これらの素材を「まとめてピクチャフォルダに入れてしまった」ため、フォルダ内のファイル数が大変な事に……。きちんと用途に分けてフォルダ分けしましょう(戒め)
ただ、その甲斐あってか、ツイッターを見ると操作系はかなり好印象のようで安心しました。今後もシンプルでキレイなデザインで作っていきたいです。

続いてキャラクターについて……なのですが、こちらについては各キャラが正式な主人公の作品を出しているor出していないので、触り程度にします。
アクア、フレイミ、クロアの三人につきましては、魔法交騒譚のあとがきを参照して下さい。また、三人が主人公のSTG「魔法交騒譚~The Black Box~」もよろしくお願いします。
という訳で残りの三人について簡単に書きます。
最初にデザインしたのはリーファでした。デザインコンセプトは「母性溢れる優しい大人の女性」という方向です。ですので、それに相応しい性格と身体的特徴にしました。木属性魔法使いなので、おっとりとした感じを出してみました。読書好きの設定は、個人の好みで入れました()。ただ、そこからの派生で、少々夢見がちな面もあったり……。と、ここから先はまた別の機会に。名前の由来は「Leaf(リーフ:葉)」から。
次にデザインしたのがエレス。コンセプトは「荒っぽい不良少女」で進めましたが、女の子の面も残しておきたかったので、手首にシュシュ着けさせる事にしました。一人称を「俺」にする事で女の子らしさを捨てるだけ捨てさせましたが、やっぱり少しくらいは残したいなぁと思いましたので。雷属性魔法使いなので、頬に稲妻模様の傷を付けさせたり、髪も先端がハネているくせっ毛にしました。こちらも詳細は別の機会に。名前の由来は「Electro(エレクトロ:電気)」から。
最後にデザインしたのはラッカでした。こちらは非常に難産で、スケブ(クロッキー帳)に何度もデザインが迷走した痕跡が残っています。キャラとしては「元気な自称大人のロリっ子」のコンセプトです。「ですー」が口癖で、いつも明るく元気なお子さまです。土属性魔法使いですが、よく見るイメージとは正反対な感じのデザインだなぁと個人的に思ったり(よくいる土属性キャラは荒っぽかったり図体が大きかったりする気がする)。詳細はまた別の機会に。名前の由来は「Crag(クラッグ:切り立った岩)」から。絶壁という意味も……。
そんな感じで、愛娘達6人全員を無事登場させる事が出来ました。ギャラリーにはキャラ一人一人のイラストも用意していますので、是非御覧下さい。

ギャラリーについて。
恒例の俺得モード()。
……ごめんなさい、嘘です。ギャラリー用イラスト作るのクッソ大変でした半年掛かってますごめんなさい二度とやります()。
今作ではギャラリーにキャラクター名鑑やイラストだけでなく、サウンドテストも入れました。
ただ、BGMを再生するだけなのも何だかなぁ……と思ったので、SDキャラがアニメーションするようにしました。3コマだけの単純なアニメーションですが、いざ動かしてみると想像以上に可愛かったです(親バカ)。こういうちょっとした演出があると、印象が大きく変わりますよね。今後もちょっとした演出をちまちまと入れていきたいと思います。

オンライン機能について。
無理です(真顔)
はい。僕の技術ではオンライン対戦は無理です。というのに加え、ウディタの通信機能の制限的にも厳しいです(有識者談)。ですので、オンライン対戦機能はお蔵入りに……。ウディタちゃんがもっとリアルタイム通信に強くなってくれればなぁ……。
あと、オンラインアップデート機能は今作では導入していません。理由はサーバーが見つかっていないためです()。某個人サイト向けサーバーが3月で閉鎖するので、移行をしようと考えているのですが、未だ見つからず……。いい無料サーバーないかなぁ。情報下さい()。

タイトルについて。
そのまんまです。
特に何のひねりもなく、「魔女っ子達のリバーシブルゲーム」という事でこのタイトルにしました。ひらがななのは、そちらの方がポップで軽い感じが出せると思ったからです。STGの方はやたらとお固い感じですし。

制作期間について。
魔法交騒譚~The Black Box~」の完成から3年……。制作開始からおよそ2年半くらいでしょうかね。途中でRPGが1本エタったり、「ウディれ!ジャッキーちゃん」を突発で作ったりしましたが、思ったより長く掛かってしまったなぁ……というのが本音です。
出来れば、去年の時点で完成に持っていきたかったのですが、それは叶わず……。去年の東京うでぃおふの時点でシステムはほとんど完成していただけに、随分とお待たせしてしまったなぁと反省しております。
また、次に作りたい物が次々と出てきては溜まっていっているので、ズルズルと引きずっていて、負債のように思える時もありました。
ですが、こうして無事公開出来て、皆さんに楽しんで頂けて、作者冥利に尽きるというものです。長い間苦労して作った甲斐があったなぁと思っております。こうして作品が皆さんを楽しませる事が出来ただけで、私は満足です。
本当に、嬉しいです。

ウディフェスの参加について。
まずはウディフェス復活、おめでとうございます(去年は外伝で10分ゲーフェスでしたので、正式なウディフェスは今年から復活)。昔から大好きなイベントでしたので、こうして再び作品を出して、作品を楽しませて頂けて感無量です。ウディフェス運営の皆様、本当にありがとうございます。これからもウディフェスのますますの発展を願っております。
そんな思いもあってウディフェスに参加する事にしました。やっぱりみんなが楽しめるイベントに出したいという思いが強かったので、ウディフェスに投稿しました。今作で皆さんが楽しんで頂ける事を願っております。
また、イラスト(ファンアート)も投稿しております。こちらは気に入った作品があったら随時描いていくつもり……。
皆さんも、ツイッターなどで感想をツイートしたりして、ウディフェスを盛り上げて頂けたら嬉しいです。

まとめると……。
個人的には結構長い期間制作をしてしまいましたが、その甲斐あってか初めてのシステムでも皆さんに楽しんで頂ける事が出来ました。
もちろん、皆様が本作を楽しんでプレイして頂いた事が何よりも有り難い事です。
今回、無事「うぃっちーずりばーし!」を完成させられたのも、ひとえに私の作品を待ち続けて頂いた皆様のお陰です。
本当に、ありがとうございました。
こんな不甲斐ない作者ですが、これからも精一杯生きて、制作を続けていく所存です。
これからも、よろしくお願い致します。



今後の活動について。
はい。今作のギャラリーをしっかり見た方はご存知かと思いますが……。
作ります。

“魔法交騒譚~The Black Box~”の続編STG。
魔法幻奏譚~True Phantasmagoria~
魔法幻奏譚タイトルロゴ

※タイトル及びロゴは制作中のものです。

……はい。という訳で次はSTGを作ります。
主人公はエレス、リーファ、ラッカの三人です。三人のストーリーを描きたいと思います。
システムは基本的に魔法交騒譚準拠でいきたいと思っていますが、そのままという訳でなく、少しシステムに変更点を加えたいと思います。
現状の構想では、キャラクターに加え、プレイスタイル要素も追加したいと思っています。例えば、攻撃性能が高くて敵をどんどん倒していくスタイルだったり、魔力ゲージ回復力が高くてボム/バリアをバンバン撃てたり……など。
他にも、インターフェース周りの改良や、敵の攻撃パターンの改良を行いたいと思っています。
コンセプトとしましては、「(敵味方関係無しで)キャラクターの映えるゲーム」として作っていきたいと思っています。主人公も敵も、ストーリーとスペルでどんどん個性をアピールしたいと思っています。特に敵に関してはスペル弾幕を作って、キャラの能力や特性を全面に押し出した形にしたいなぁと思っています。
ただ、魔法交騒譚は完成するのに2年掛かっていたので、次回作も2年以上掛かると見込んでおります。ゲームが完成するのが先か、私が折れるのが先か……。
今まで通り、無理せずに制作を続けていくつもりですので、気長にお待ち頂けると幸いです。
まだまだ、がんばる。



最後に、いつもの言葉で締めさせて頂きます。

ゲームに関わる全ての人々に、素晴らしきゲームライフを。



ウディれ!ジャッキーちゃんのあとがき

「ウディれ!ジャッキーちゃん」を公開してから一週間が経ちました。
ツイッター上でプレイして頂けたのを見て一人でニヤニヤしているジャッカルです。プレイありがとうございます!

さて、今作も棚卸しも兼ねてあとがきを書く事にしました。
今作は短い制作期間で簡単なミニゲームを作っただけではありますが、いくつか学ぶべき点が出てきたのでその整理をしたいと思い、あとがきを書かせて頂きます。
ちなみに今回はネタバレとかないから未プレイヤーでも安心して見れるよ!
ちなみに作品のDLはこちらから。
また、参加させて頂いたウディフェスの公式サイトはこちら。素晴らしい作品が数々ありますので是非。掲示板に感想を書き込んだり応援イラストでイベントを盛り上げて頂けたら幸いです。

それでは、しばしお付き合いを……。



さて、今作のあとがきという事で、まずはこのゲームを企画した所から振り返りましょうか。
元々ウディフェス外伝10分ゲーフェスには参加するつもりはなかったのですが、仕事中に急にアイデア(それもジャッカル史上最もしょうもない)が降ってきたので、ノリと勢いで制作する事にしました。時期的には1月末ですので、制作期間は一ヶ月程度ですね。ミニゲームとはいえ、ここまで短い期間で作品を作ったのは習作以来だと思います。その時は単純に「ゲーム制作者さんを応援してゲーム制作のモチベーションを上げさせる」というだけのアイデアでした。
なぜこのアイデアが降ってきたのかというと、結構周りの状況が影響しているような気がします。ここ最近クリエイターさんにメッセージを投げたり、支援をするような企画やサービスを目にするようになりました。ツイッターを見るだけでも質問箱から始まりマシュマロ投げ、褒めて箱、ふりーむ!さんのレビューイベントやPLiCyさんのモナコイン投げ銭など……。挙げたらキリがないくらいです。そういった企画で制作者さんに何かを伝えたり応援するような機会が増加してきて、制作者さんとプレイヤーさんとの距離が縮まったように感じます。
そんな折に、自分はあまり他の制作者さんを応援したりしてないなぁと思いました。ツイッター上で交流する事がほとんどですが、それでも作品や成果に対してはリツふぁぼが精々で、直接メッセージや感想を送ったり、そもそもリプライもほとんど送らないシャイな状態でした。流行りの制作者支援の波に上手く乗り切れていない状態でした。
そこで、ウディフェスもあるので何かの形で他の制作者さんを応援出来たらいいなぁと思い、今回のゲームの制作に踏み切りました。断じて自分が応援してもらいたいからという訳ではない。
ゲーム制作はなんやかんやで9年続けているので、制作の苦労はよく理解しています。そういった苦労の中で頑張っている制作者さんに、何か助けになるような事が出来たらなという思いで制作をしました。
ちなみに制作を始める前に、こんなアンケートをツイッターでやりました。


これは、モチベーションが上げるのにどんな言葉を掛けるのかをアンケートしたものになります。結果としては、好意の言葉を掛ける人が多いようです。やっぱり自分の好きな作品や制作者さんに、自分は好きなんだという気持ちを伝えてあげるとモチベーションアップしやすいんだなぁと感じました。このこのアンケート結果を元に、応援のバリエーションを考えました。第一章のセリフ(「進捗どうですか?」など)のインパクトが強いのでプレイヤーさんはあまり気付いていないと思いますが、様々な応援の言葉のタイプを出せたんじゃないかなぁと思っています。

キャラクターについて。
キャラは企画を思い付いた時点で大体のイメージは固めていました。セグロジャッカル(背中の黒い毛が特徴)をモチーフにしたケモミミ尻尾の女の子です。セグロジャッカルなので、黒いマントをつけてあげました。名前は「ジャッカル」→「ジャッキー」という感じです。(実は昔、自分の事を「ジャッキー」と呼んでくれていたフォロワーさんがいた。)
そんな感じで(娘達ほど)あまり深くは考えずにてきとーにデザインを起こしました。それがこちら。
ジャッキーちゃんデザイン
そして、ゲーム用にデフォルメしたものがこちら。
デフォルメジャッキーちゃん
別人じゃねぇか()
頭身が違うにしても印象が違いすぎる。特に目元が完全に別人のそれ。元デザインだとクマを蓄えた陰鬱そうないかにも自分そっくりなキャラですが、デフォルメした顔は完全にギャグマンガの顔である。長時間見ていると殴りたくなってくるような顔です。
キャラの特徴はゲームに合うように「全然モチベーションが上がらずに制作を進めないでいる」にしました。まんま自分じゃねぇか!あらゆる「ちょっとした事」で躓いてはモチベーションを落として制作を出来ないでいる、残念な子に仕上がったと思います。そして応援されるとすぐにモチベーションを取り戻すチョロイ感じが出せたと思ってます。やっぱり自分じゃねぇか!今後も機会があったらゲームに出したりしようかなぁ……。扱いは酷そうだけど。

ゲームシステムについて。
とにかく凝ったシステムにするつもりは企画段階から毛頭になく、10分ゲーという事もあって、誰でもわかるような簡単な内容でパッとやってパッと終わらせられるようなシステムにしました。
結果、最初から最後までひたすら連打するだけというキーボードとプレイヤーさんの指に悪いゲームが出来上がりました()
確かに操作はシンプル(というか限界まで単純)で誰でも気楽にプレイできますが、ステージが進んでもセリフや制限時間以外に何も変わらないというのはちょっと味がなかったなぁと思います。こういったシンプル操作ミニゲームでも、ステージが変わると新しいギミックなどが追加されてプレイヤーに次々と刺激を与えて、最終的には複数の操作や刺激を楽しめるようにするのがよくあるゲームデザインですが、そういうのを入れるアイデアを考えてはみましたが、元々のシステムがチープ過ぎたのか、あるいはゲームのテーマとうまくマッチ出来なかったのか、アイデアが出せずに結局何も変わらないままゲームクリアまで進む形になってしまいました。この辺りは今後の制作で注意していきたい所ですね。
また、クリア後のフリープレイもスコアランキングがないのでちょっと盛り上がりに欠けるなぁと思いました。この辺は作者の技術的な要因が関わってくるので、いい加減ネットワーク機能関連の勉強をしないとなぁと感じました。まだまだ学ぶ事は多い……。
そんな感じでゲームシステム周りはちょっと不完全燃焼な感じです。とはいえ、所詮ネタゲーなので無理に凝ったシステムにせずにゆる~く出来ればいいかなと思うので、失敗ではないと思ってます。

ストーリー(?)について。
元々はストーリー無しで考えていたのですが、プレイ時間が極端に短くなってしまうので半ば無理矢理入れました()
ストーリーの内容としては当初の企画通り、モチベーションが上がらなくてゲ制しないジャッキーちゃんのケツを叩いてゲ制させるというものにしました。具体的な内容については、自分が制作で詰まってしまうタイミングをそのままストーリーにしました。単に面倒だからやる気がない、難解なバグ、膨大な素材数、リアルによる鬱モード、完成前の「これって面白いのか?」という不安と「これ以上面白く出来ないのか」という焦燥感、そして完成後の燃え尽き状態。他の制作者さんも一度は経験した事があるのではないでしょうか?(と個人的に思っている。)
こうした「ゲ制手詰まり状態」を突破するには、やっぱり誰かから頑張って欲しいという思いを感じると、何とかやりきろうという気持ちになれます。ですので、このゲームを通じて制作者を応援しようと思っていだければ、作者冥利に尽きるというものです。
ちなみに「うぃっちーずりばーし!」は素材量過多でモチベが折られまくってます。誰か手伝って下さい(白目)

ゲーム起動時のサークルロゴについて。
前々からやりたかったのですが、サークルロゴを作成しました。当ブログ名まんまですが、今後も(あまり意味は無いと思いますが)このサークル名で活動したいと思います。メンバー?私一人だけだよ!
(もし「共同制作したい!」という方がおられましたらお声掛け頂けると幸いです。)
サークルロゴ

背景のポスター画像について。
「何か足んねぇなぁ?」
その「何か」は私の屈強なフォロワーさんならおわかりでしょう。そう、娘達です。「うちの子大好き病なのに、作品にうちの子が出ないとはどういう事だー!」
そんな訳でポスターとして娘達に出演して頂きました。また、ウディフェスに参加するのでウディタのマスコットキャラクターであるウルファールさんにも出演して頂きました。
ちなみに今回ポスターとして使用したのは以下のイラストです。
・2017年誕生日イラスト(夜空背景)(アクア&フレイミ&クロア)
絆パズル3:魔法交騒譚パズルイラスト(アクア&フレイミ&クロア)
・2017年夏イラスト(エレス&リーファ&ラッカ)
・2018年誕生日イラスト(夜空背景)(エレス&リーファ&ラッカ)
・2017年バレンタインデーイラスト(ウルファールさん)
・エタるんじゃねぇぞ…(ウルファールさん)
明らかにネタイラストが混じってますが気にしない。
これで娘達の存在が知れ渡ると信じています。(過剰な期待)

まとめ。
始めて真面目に作ったネタゲーですが、思ったより好印象を受けて貰えたと思ってます。プレイヤーさんもネタを楽しんで頂いたり、ジャッキーちゃんを可愛がって頂けたようで嬉しいです。
同時に、自分の思いを素直に表現できた作品ですので、短い制作期間ですが達成感は思いの外大きかったです。やっぱり創作は自分の内にあるものを表現してナンボのものですわ……。
ウディフェスに参加したのも、自分がウディフェスに対して思い入れがあるというのが主な要因ですが、それに加えて自分の作品のメッセージが伝わりやすい場であるとも考えたので参加させて頂きました。ウディフェス運営の皆様、素晴らしい企画をありがとうございました。
ついでに言うと、イラストでも参加させて頂きました。そちらの方も是非ご覧になって下さい。

最後に。
今回ウディフェスに「ウディれ!ジャッキーちゃん」を出し、プレイヤーの皆様が楽しんで頂けたのを大変喜ばしく思っております。
今後も、頑張ってゲーム制作を続けていきますのでよろしくお願いします。
でもモチベーションが上がらなくて制作出来てない時は応援してあげてね。

ゲームに携わる全ての人達に、素晴らしきゲームライフを。

そして制作者さんに……。
Let’s Yell !!


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